サン・ラザール大聖堂[オータン](読み)サン・ラザールだいせいどう[オータン](英語表記)La Cathédrale Saint-Lazare,Autun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サン・ラザール大聖堂[オータン]
サン・ラザールだいせいどう[オータン]
La Cathédrale Saint-Lazare,Autun

フランス,ソーヌエロアール県のオータンの大聖堂。クリュニー修道院聖堂の様式系統に属するブルゴーニュ・ロマネスクの美しい聖堂。 1020年に起工され 1130年教皇インノケンチウス2世により献堂されているが,完成したのは 1146年以後である。単一祭室,三廊式プランの単純な聖堂であるが,身廊部は特徴的で,いわゆるブルゴーニュ尖頭アーチによって形成される重厚なアーケードと半円盲アーチのトリフォリウム,その上層に同じく半円アーチのあかり窓をもち,天井の半円筒ボールトの横断アーチに連続する柱の部分はローマ風のピラスターで飾られている。なによりもこの聖堂を有名にしているのは,堂内の柱頭や,西正面扉口ティンパヌムを飾るジスルベルトゥス作と銘された『最後の審判』など,12世紀初頭の石造彫刻である。極端に様式化されているこれらの浮彫は,黙示録的な幻想世界をつくりだすロマネスク彫刻の最も貴重な作例である。もと北扉口の 楣石に施されていた有名な『イブ』の浮彫その他は,現在隣接するロラン美術館に収蔵されている。

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