ザビード

百科事典マイペディア 「ザビード」の意味・わかりやすい解説

ザビード

イエメン南西部にある古都。819年,アラブ初の大学,アシャエル大学が設立されて以後,南アラビアの学問の中心地となった。イスラム学の最高府,カイロアズハル大学の開設時には,この大学から教授陣が送られた。13〜15世紀にはラスール朝の都として栄え,200以上の学校やモスクに国内外から500人もの学生が集まったといわれる。15世紀に建造されたナーセル城,オスマン・トルコ時代のイスカンダル・モスクをはじめ85のモスクなどが残る。1993年,古都ザビードとして世界文化遺産に登録。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザビード」の意味・わかりやすい解説

ザビード
Zabīd

イエメン西部,ティハーマ海岸平野,紅海から 16km,ザビード涸れ川 (ワディ) の川岸に位置する都市。9世紀からイスラムの地方王朝の首都スンニー派シャーフィイー派の宗教的中心都市で,神学大学があることでも知られた。綿花と藍を産する地域で,織物染色,皮なめしなどの手工業があるが,輸入される機械製商品に座を奪われた。城壁に囲まれ,大モスクがある旧市街は,1993年世界遺産の文化遺産に登録。アラビア半島紅海沿岸を縦走する道路が通る。人口約 8000。

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