高蔵寺(読み)こうぞうじ

精選版 日本国語大辞典 「高蔵寺」の意味・読み・例文・類語

こうぞう‐じ カウザウ‥【高蔵寺】

宮城県角田市西根高倉にある真言宗智山派の寺。山号は高倉山(勝楽山とも)。弘仁一〇年(八一九)徳一の創建と伝えられる。阿彌陀堂と本尊阿彌陀如来坐像は国の重要文化財

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デジタル大辞泉 「高蔵寺」の意味・読み・例文・類語

こうぞう‐じ〔カウザウ‐〕【高蔵寺】

宮城県角田市にある真言宗智山派の寺。山号は高倉山。開創は弘仁10年(819)、開山は空海と伝えられる。阿弥陀堂は重文。

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日本歴史地名大系 「高蔵寺」の解説

高蔵寺
こうぞうじ

[現在地名]角田市高倉 寺前

勝楽山、または高倉山とも号し、真言宗智山派。古くは角田本郷薬王やくおう寺の末寺。高倉たかくら川の流れに沿って山間から平野にかかる所、四方を標高六〇メートルほどの丘陵に囲まれた盆地にある。盆地全域が高蔵寺の寺域であったような景観を示す。かつては大いに繁栄したと伝え、清水堂しみずどう大門坊だいもんぼういりぼうなど坊舎にかかわる地名が残る。しかし数度の兵乱で堂宇・旧記等を失ったといい、明治以前の建物で現存するのは阿弥陀堂のみ。「観蹟聞老志」所載の棟札によると「嵯峨天皇御宇弘仁十年己亥□月十五日伽藍新造、徳一菩薩建立」とあり、南都の僧で弘仁一〇年(八一九)当時会津にあって菩薩と仰がれた徳一を開基とする。さらに「又治承元年丁酉五月加修理(中略)大旦那□□小旦那安部安氏権大僧正聖円大工飛騨右衛門尉行正小工飛騨左近三郎正近細工清原恒師小細工(中略)右此寺依旧新造立□□修造之中比者行満上人加修理今此寺□□中奥州国司秀衡妻女新造之皆是依□仏也」と記す。阿弥陀堂の建立、本尊阿弥陀如来坐像の造立は、治承元年(一一七七)藤原秀衡の妻の発願によって行われたとみられている。

高蔵寺
こうぞうじ

[現在地名]篠山市高倉

天台宗。宝橋山宝性院と号し、本尊は十一面観音。白鳳期に法道の開創と伝え、僧坊二一宇を擁し、中世には大山庄地頭の中沢氏の菩提寺であった。仁治二年(一二四一)五月の大山庄領家年貢請文案(東寺文書)に寺号がみえる。永正九年(一五一二)屋敷・山林および田畑の寄進があった。天正七年(一五七九)織田信長の丹波攻略に伴い明智光秀軍勢の大山城攻撃で、寺僧もことごとく討死したとされる。

高蔵寺
こうぞうじ

[現在地名]木更津市矢那

草敷くさじきに近い矢那やな川右岸にあり、境内は老木が茂る。平野山と号し、真言宗豊山派、本尊は聖観音。坂東三十三所観音霊場の第三〇番札所で、高倉観音とよばれる。寺伝によると大化二年(六四六)僧徳義の開創で、聖観音が虚空からこの地に降りたという。藤原鎌足は観音の霊験によって当地の猪野長者が授かった子との縁起があり、観音は鎌足の守仏ともいわれる(君津郡誌)。貞観年中(八五九―八七七)に藤原時重が堂宇を再建し、大永六年(一五二六)源範により中興されたという。

高蔵寺
こうそうじ

[現在地名]春日井市高蔵寺町

高座たかくら山にかかる丘陵地にある。灯明山と号し、天台宗山門派。本尊は薬師如来。円福寺寄進田帳(円福寺蔵)に、年代不詳だが、「自白山立同年巻数使者高蔵寺也」とある。「寛文覚書」は野田のた村密蔵院の末寺として高蔵寺を記し「寺内壱反四歩 備前検除」とある。「尾張名所図会」に「高蔵社は山頂にあり、俗に熱田高蔵宮の奥院と称し、其供僧を高蔵寺と云ひ、開創不詳、永正七年、僧玄慶中興とぞ」とある。

寺伝によると、承平三年(九三三)比叡山の僧智蔵の創建とある。昔は一二坊があったが、永禄(一五五八―七〇)の頃兵火にかかり、実相坊一宇が残った。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高蔵寺」の意味・わかりやすい解説

高蔵寺
こうぞうじ

愛知県北西部,春日井市東部の地区。 1930年町制施行したが,58年春日井市に編入。庄内川の峡谷にのぞむ。 JR中央本線高蔵寺駅から北に続く丘陵地に高蔵寺ニュータウンが完成。緑地が広く,歩行者専用道など住宅団地モデルとして知られる。

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デジタル大辞泉プラス 「高蔵寺」の解説

高蔵(こうぞう)寺〔千葉県〕

千葉県木更津市にある寺院。真言宗豊山派。山号は平野山。寺伝では646年開創とされる。本尊は正観世音菩薩(聖観音)。「高倉観音」とも呼ばれる。

高蔵寺(こうぞうじ)〔宮城県〕

宮城県角田市にある寺院。819年創建と伝わる。真言宗智山派。阿弥陀堂と、そこに収められた本尊の阿弥陀如来坐像は国の重要文化財に指定。

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