シホテアリン山脈(読み)シホテアリンサンミャク(その他表記)Sikhote-Alin'

デジタル大辞泉 「シホテアリン山脈」の意味・読み・例文・類語

シホテアリン‐さんみゃく【シホテアリン山脈】

Sixhote Alin'Сихотэ Алинь》⇒シホテアリニ山脈

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改訂新版 世界大百科事典 「シホテアリン山脈」の意味・わかりやすい解説

シホテ・アリン[山脈]
Sikhote-Alin'

ロシア連邦極東地方,ハバロフスク州と沿海州にまたがる中山性の山地。日本海側とアムール川流域(オホーツク海に注ぐ)の分水界となっている。日本海北西岸に沿い,長さ1200km,幅200~250km,平均標高800~1000mで,北東から南西方向に続く。最高点は北緯49°付近のトルドキ・ヤニ峰(2077m)。平頂丘や高原状の部分もあり,山塊の間を深く下刻した川が流れる。山体は中生層の砂岩・粘板岩そのほかからなるが,一部には花コウ岩など深成岩も見られる。気候は夏は温暖で7月,8月の平均気温は20℃前後,冬は寒さ厳しく1月の平均気温は内陸部で-22℃,沿岸部で-10℃。年降水量は約800mm。標高500mまでの山麓部は,松,モミ,カエデ,ナラなどの混合林が優勢で,チョウセンニンジンの野生地として知られるが,北部にいくと針葉樹林が多くなり,標高1000m以上では山岳性のツンドラが現れる。一部の河川では木材の流送が行われ,沿岸のテチューヘでスズ,鉛,亜鉛,山地で金,タングステン,内陸の山麓部で石炭などの鉱産もあるが,おおむね未開発である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シホテアリン山脈」の意味・わかりやすい解説

シホテアリン山脈
シホテアリンさんみゃく
khrebet Sikhote-Alin'

ロシア南東部,日本海とタタール海峡に面して延びる山脈。ハバロフスク,プリモルスキー両地方にまたがり,アムール川下流域の平野から南西へ,ウラジオストク付近まで約 1200kmにわたって続く。幅は 200~250km。平均標高 800~1000mで,最高峰はトルドキヤニ山 (2077m) 。おもにアムール=ウスリー水系に属する河川によって分断された中山性山地で,西側斜面は両河川の沿岸平野に向かってゆるやかに傾斜する。高い山頂付近は裸地であるが,斜面の大部分はマツ,カラマツ,モミ,カバなどの森林で覆われている。豊かな温帯林が広がり,希少種であるチョウセントラ (シベリアトラ) などが生息する山脈中央部は,2001年世界遺産の自然遺産に登録された。鉱物資源に恵まれ,南端部のパルチザンスク,アルチョームで石炭,褐炭が,南東部のダリネゴルスクで鉛,スズ,亜鉛が,中南部で金が採掘される。

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