タタール海峡(読み)たたーるかいきょう(英語表記)Татарский Пролив/Tatarskiy Proliv

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タタール海峡」の意味・わかりやすい解説

タタール海峡
たたーるかいきょう
Татарский Пролив/Tatarskiy Proliv

ロシア連邦のシベリア東岸と樺太(からふと)(サハリン)との間の海峡。日本海とオホーツク海とを結ぶ。南北に長く633キロメートル、幅は南部の日本海寄りで342キロメートル、北部で40キロメートル。最狭部はシベリア側のラザレフと樺太のポギビの間で、幅7.3キロメートル、日本ではこの部分を間宮(まみや)海峡とよぶが、ロシア連邦では発見者のロシア人ネベリスコイにちなみ、ネベリスコイ水道Пролив Невельского/Proliv Nevel'skogo という。1808(文化5)~09年に間宮林蔵、松田伝十郎らは、海峡を調査して樺太が半島でなく島であることを発見し、間宮海峡の名を残した。北部にはアムール川河口のアムール湾がある。水路誌によると、北部の主水道の水深は低潮位で約4メートル、小船舶がかろうじて通行できる程度である。11月から5月ごろまでは結氷し、そりで通行ができる。

[須長博明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タタール海峡」の意味・わかりやすい解説

タタール海峡
タタールかいきょう
Tatarskii proliv

別称間宮海峡。ロシア東部,ハバロフスク地方とサハリン島とをへだてる海峡。北方はサハリン湾を経てオホーツク海へ,南方は日本海へ続く。南北の長さ約 650km。幅は南部で約 340km,北部で約 40km,最狭部では 7.3km。全体に水深が浅く,また浅瀬が多いため,ごく小型の船しか航行できないが,冬は結氷し,氷上を往来できる。 1808~09年に間宮林蔵がサハリン (樺太) が離島であることを突止め,シーボルトがこれをヨーロッパに発表,この海峡を「間宮海峡」と命名した。北部にある最狭部は,49年にここを調査したロシア人の名をとってネベリスコイ海峡と呼ばれるが,また同部分のみを間宮海峡と呼ぶこともある。沿岸主要都市はソビエツカヤガバン,アレクサンドロフスクサハリンスキー,レソゴルスク,ウグレゴルスク。

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