改訂新版 世界大百科事典 「シャンボニエール」の意味・わかりやすい解説
シャンボニエール
Jacques Champion de Chambonnières
生没年:1601か02-72
フランスのクラブサン奏者,作曲家。ルイ13世ならびにルイ14世の宮廷で,国王の室内音楽隊スピネット奏者を務めた。1641年ころからは,〈愛好者の集い〉と銘打った私的演奏会をも主催,当代随一のクラブサン奏者とうたわれた。彼は,17世紀前半にその全盛期に達したフランス・リュート音楽の語法と様式を適用したクラブサン用の組曲を作曲,さらにL.クープランやダングルベールJean Henri d'Anglebert(1628-91)らの優れた弟子を育て,クラブサン楽派の伝統を築いた。それゆえに今日,クラブサン楽派の始祖といわれている。計60曲から成る2巻の《クラブサン曲集》が1670年に出版されている。
執筆者:内野 允子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報