ルベーグ(読み)るべーぐ(英語表記)Henri Lebesgue

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルベーグ」の意味・わかりやすい解説

ルベーグ
るべーぐ
Henri Lebesgue
(1875―1941)

ランスの数学者。ボーベに生まれ、高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)とパリ大学に学んだ。レンヌおよびポアチエの大学で講師を務め(1902~1910)、パリ大学教授を経て、1921年コレージュ・ド・フランス教授となる。1922年科学アカデミー会員となる。1902年、「積分・長さおよび面積」と題する学位論文において、「完全加法的測度」に基づく可測関数積分論創始、それ以前のリーマン積分の本質的な拡張であるばかりでなく、微分と積分とが互いに逆演算であることを明確に示した。これは、「項別微分定理」や「項別積分定理」、また二重積分を反復積分で計算し、反復積分の順序交換をすることの可能性を保証する「フビニFubiniの定理」など微積分を自在に駆使するための理論を与え、ニュートンとライプニッツに始まる微分積分法を現代的にした。

吉田耕作

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルベーグ」の意味・わかりやすい解説

ルベーグ
Lebesgue, Henri Léon

[生]1875.6.28. ボーベー
[没]1941.7.26. パリ
フランスの数学者。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) で教育を受け,1902年学位を得た。レンヌ大学で助手をつとめ,ポアティエ大学講師 (1906) ,のち教授。6年後にパリ大学で教鞭をとり,その後コレージュ・ド・フランスの教授となった。最も重要な業績は現在ルベーグ積分と呼ばれている積分に関する研究 (1902) である。彼は E.ボレル,C.ジョルダンなどにより発展せられた測度論の影響を受けて,1901年に彼自身の測度論を立て,翌年それを基礎にして定積分の新しい定義を確立した。ルベーグ積分によってフーリエ解析はその後著しく発展した。サントゥール賞 (17) ,パリの科学アカデミー会員 (22) ,その他外国の科学団体の名誉会員に選ばれた。主著『積分と原始関数の研究』 (04) ,『三角級数』 (06) 。

ルベーグ
Lebègue, Nicolas Antoine

[生]1631. ラン
[没]1702.7.6. パリ
フランスのオルガン奏者,作曲家。 J.シャンボニエールまたは E.リシャールに学び,1664年パリのサン・メリ聖堂のオルガン奏者に就任,78年以降は宮廷オルガン奏者を兼務した。3巻のオルガン曲集 (1676,79,85) と2巻のクラブサン曲集 (77,87) を出版

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