筆記具の一つ。1837-38年ころ,アメリカのキーランが〈エバーシャープ〉(つねにとがっている)の商標で発売したのが最初といわれる。1877年(明治10)に日本に渡来し,東京浅草の飾り職人が模造製作した。当初は〈繰出鉛筆〉と呼ばれて,手工業生産であったが,大正期に機械生産へと移る。その時の製造業者のひとりに早川徳次(電気機械会社シャープの創始者)があげられる。1915年に売り出された〈スクリュウペンシル〉〈プロペラペンシル〉が翌年〈エバレディシャープペンシル〉と改称され,以後日本ではシャープペンシルが総称となる(英語ではメカニカル・ペンシル)。1960年に合成樹脂芯が日本で開発され,芯径0.2mm,あるいは0.1mmのきわめて細いものが製造可能になった。これは合成樹脂を結合剤として使い,高温で焼いて炭素を残したもの。80年には100円の低価格シャープペンシルも出現して小学生にまで普及し,生産量は1979年の1.4倍(約9000万本)に増加した。
執筆者:永田 桂子
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