翻訳|skimming
クレジットカードやキャッシュカードの口座番号などの個人情報を不正に読み取り、偽造カードを作成したり、不正ログインしたりして金品をだましとる犯罪行為。カードの磁気記録情報をスキマーとよばれる特殊装置で読み取る伝統的手口のほか、電子商取引(EC)サイトに不正なプログラム(スクリプト)を埋め込んで個人情報を窃取するウェブスキミングという手口もある。「すくい取る」「かすめ取る」という意味の英語skimからできたことばで、通常の盗難や紛失と異なり、被害者が犯罪にあったことに気づきにくいという特徴がある。スキミング対策として、他人に知られにくい暗証番号の設定、パスワードの設定やこまめな変更、ICチップ内蔵型カードや生体認証システムの利用、カード利用履歴や明細書のこまめな確認などが推奨されている。ウェブスキミング対策では、ECサイト側での脆弱(ぜいじゃく)性解消ソフトウェアの利用、サイト認証の仕組みや安全設定の見直しなどがあげられる。
日本では、1980年代から買い物の代金決済時や空き巣被害などで、スキマーを使ったスキミングが報告されるようになった。その後、ATM(現金自動預金支払機)や信用照会端末などへスキマーを設置したり、正当な読み取り装置にスキミングのための小型基盤を細工して設置するなど、手口が巧妙化。電波で自動的に送信する、後日読み取り装置に設置した基盤を回収するなどして、盗み取った情報を入手する。1990年代には、満員電車や人ごみなどで、財布やバッグ内のカード情報を盗み取る非接触式スキミングが登場した。政府は2001年(平成13)施行の改正刑法で、スキミングを取り締まる「支払用カード電磁的記録不正作出等罪」や偽造カードをもっているだけで罪となる「不正電磁的記録カード所持罪」などを新設。ICチップを搭載したカードの普及もあって、スキミングの犯罪件数は減少傾向にあった。しかし2020年(令和2)前後から、ウェブスキミングが登場し、ネット通販などの利用者が知らないうちに、口座番号や個人情報を盗み取られるサイバー犯罪が報告されている。
[矢野 武 2022年8月18日]
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
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