和名ミドリハッカ。オランダハッカともいう。中央ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で,M.longifolia L.とM.rotundifolia L.との雑種起源と考えられている。同じくミントの仲間であるペパーミントに似るが,葉には目だった葉柄がなく,茎にじかに葉身がついている点が異なる。茎は30~60cm,茎も葉も緑色が濃く,葉が大きい。夏から秋にかけて,茎の先に淡紫色の小さい花が5~10cmの穂になって咲く。地下茎と匍匐(ほふく)枝で繁殖する。全草に0.2~0.5%の精油を含む。花つきの地上部を水蒸気蒸留して得られる精油がスペアミント油(ミドリハッカ油)である。ニホンハッカやセイヨウハッカの精油と異なり,メントールを含まず,l-カルボン55%を含む。ヨーロッパでは2000年前から知られ,肉や魚の料理に香味料として使う。精油はチューインガム,カクテル,歯みがき,菓子などの香料として重要である。アメリカのミシガン州で大量に栽培され,日本では北海道で作られている。
執筆者:星川 清親
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