小説家。東京生まれ。本名田村幸雄(ゆきお)。高輪(たかなわ)中学から海兵団に入団。第二次世界大戦後、早稲田(わせだ)大学専門部法科卒業。地検事務官になったが、結核を患う。療養中、石田波郷(はきょう)や福永武彦(たけひこ)と知り合う。『寒中水泳』(1959)で、日本版『エラリー・クイーンズ・ミステリー・マガジン』コンテストに入選。『長い長い眠り』(1960)、『仲のいい死体』(1961)などの推理小説を経て、『ゴメスの名はゴメス』(1962)はスパイ小説の収穫とされ、『夜の終る時』(1963)で日本推理作家協会賞。『軍旗はためく下に』(1970)により第63回直木賞を受賞。さらに、伝記小説『志ん生(しんしょう)一代』(1976)、吉川英治文学賞を受賞した『終着駅』(1984)などを書く。その後も、連作推理小説集『修羅の匂い』(1990)、短編集『エンドレス』(1991)、連作推理小説集『決着』(1993)、『出来事』(1994)と書き継ぎ、没後の1996年(平成8)9月に刊行された懺悔(ざんげ)物語8話で構成される『泥棒たちの昼休み』と続いた。98年には、死の直前に語った「人生最後の志」『死もまた愉(たの)し』が刊行された。
[伊藤和也・磯貝勝太郎]
『『結城昌治推理シリーズ』全6巻(1966~67・講談社)』▽『『結城昌治作品集』1~8(1973~74・朝日新聞社)』▽『『結城昌治自選傑作短編集』(1976・読売新聞社)』▽『『結城昌治ショート・ショート全集』(1978・六興出版)』▽『『結城昌治長編推理小説選集』1~8(1980~81・東京文芸社)』▽『『軍旗はためく下に』『長い長い眠り』『終着駅』『志ん生一代』上下『出来事』(中公文庫)』▽『『仲のいい死体』『夜の終る時』『ゴメスの名はゴメス』(角川文庫)』▽『『泥棒たちの昼休み』『死もまた愉し』(講談社文庫)』▽『『修羅の匂い』(文春文庫)』
昭和・平成期の作家
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
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出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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