スルホン(読み)するほん(英語表記)sulfone

翻訳|sulfone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スルホン」の意味・わかりやすい解説

スルホン
するほん
sulfone

一般式R-SO2-R′(R、R′はアルキル基またはアリール基)で示される化合物総称スルフィド酸化した形の化合物である。二つのS-O結合は、いずれも硫黄(いおう)が2個の電子を提供した形の、配位型結合である。そのため極性が大きく、分子量の小さなものは水に溶けやすい。また無機塩を溶解することもでき、ジメチルスルホキシドスルホランは、有機化学における反応溶媒として使われている。スルフィドの酸化、あるいは塩化ベンゼンスルホニルによるベンゼン環のスルホニル化で合成される。一般に安定な結晶性の化合物である。

[務台 潔]


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化学辞典 第2版 「スルホン」の解説

スルホン
スルホン
sulfone

一般式RSO2R(Rはアルキル基またはアリール基)で表される化合物の総称.対応するスルフィドの酸化により得られる.きわめて安定な結晶性のよい固体で,硫黄化合物の構造確認のための誘導体として重要である.赤外吸収スペクトル1310~1350,1120~1160 cm-1 領域に特徴的な吸収を示す.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スルホン」の意味・わかりやすい解説

スルホン
sulfone

RR'SO2 の一般式で表わされる化合物。代表的な例としてジメチルスルホン (CH3)2SO2 がある。硫化メチルの酸化で合成される。融点 109℃,沸点 238℃。高温度での溶媒として使用される。

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世界大百科事典(旧版)内のスルホンの言及

【チオエーテル】より

…芳香族チオエーテルは芳香族ジアゾニウム塩にチオラートを作用させても得られる。チオエーテルを過酸化水素や過安息香酸でおだやかに酸化するとスルホキシドsulfoxideとなり,さらに強く酸化するとスルホンsulfoneになる。ヨウ化アルキルとの反応では結晶性のスルホニウム塩sulfonium saltを形成する。…

※「スルホン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」