ソーク(読み)そーく(英語表記)Jonas Edward Salk

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソーク」の意味・わかりやすい解説

ソーク
そーく
Jonas Edward Salk
(1914―1995)

アメリカ細菌学者、ウイルス学者。ニューヨークに生まれ、ニューヨーク大学に学び、1939年学位を取得。1947年ピッツバーグ大学教授。1962年にサンディエゴのソーク生物学研究所所長予防医学の研究を行い、1953年、ポリオウイルスホルマリンで殺したワクチンを注射するとポリオ予防効果があることを発見、ソークワクチンといわれる不活化ワクチンを開発した。1955年このワクチンはアメリカで実用化され、1961年(昭和36)2月には日本でも国産ソークワクチンが検定合格し、量産体制が整えられ、当時、日本で大流行していたポリオへの対策として期待された。しかし、より優れたセービンの経口生ポリオワクチンが緊急輸入、投与されたため、ソークワクチンは短命に終わった。

藤野恒三郎

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改訂新版 世界大百科事典 「ソーク」の意味・わかりやすい解説

ソーク
Jonas Edward Salk
生没年:1914-95

アメリカの細菌学,ウイルス学者。ニューヨーク大学卒業後,ニューヨーク大学,マウント=シナイ病院で研究,1947年にピッツバーグ大学教授となる。その後62年にサンディエゴにソーク生物学研究所を開設し,所長に就任した。1953年,ポリオに感染したサルの腎臓細胞の組織培養液をホルマリンで処理した,ポリオホルマリン不活性化ワクチン(これをソークワクチンという)を開発した。ソークワクチンは80~90%の予防効果を示す。しかし,ポリオワクチンについては,55年に開発されたセービンワクチンのほうが利点が多いため,現在はセービンワクチンのほうが広く用いられている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソーク」の意味・わかりやすい解説

ソーク
Salk, Jonas Edward

[生]1914.10.28. ニューヨーク
[没]1995.6.23. ラホヤ
アメリカのウイルス学者。ニューヨーク市立大学卒業後,1946年ミシガン大学の伝染病学助教授となり,インフルエンザ病原体を研究してワクチンをつくった。 47年ピッツバーグ大学ウイルス研究所所長兼細菌学助教授,49~63年同大学教授,63年からソーク生物学研究所所長。 54年にポリオ (小児麻痺) の予防のためのソークワクチンの開発に成功,61年に経口生ワクチンが登場するまでよく用いられた。晩年エイズのワクチン研究に力を注いだ。

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世界大百科事典(旧版)内のソークの言及

【ポリオ】より

…ポリオウイルスによる感染症で,下肢や上肢の永久的な麻痺を起こす疾患として恐れられた。しかし1954年にJ.E.ソークによって不活性ワクチンが,58年にA.B.セービンによって弱毒ワクチンが開発され,ポリオは著しく減少した。古くから知られた病気で,紀元前にすでに記録されており,古代エジプトの遺跡にもみられる。…

※「ソーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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