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予防医学 よぼういがくpreventive medicine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

予防医学
よぼういがく
preventive medicine

広義には健康の障害の防止を研究する医学で,おもな対象は健康人とその生活環境であり,衛生学,公衆衛生学と多くの領域で重なり合う。狭義には個々の病気の予防,予知と考えられ,この場合は治療医学に接近する。古代ギリシアの医聖ヒポクラテスはすでに,人間とその生存する自然,社会両環境との関連を重視して,広義の予防医学を説いていた。近代医学史上では,E.ジェンナーの種痘をはじめとする感染症の予防が起点であったが,最近では慢性疾患の予防も研究されている。その活動として,健康教育健康診断,保健医療,予防接種地域医療リハビリテーションもあげることができよう。

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デジタル大辞泉の解説

よぼう‐いがく〔ヨバウ‐〕【予防医学】

病気の原因の除去および発病前の予防を目的とする医学の一分野。治療医学に対していう。→予防医療

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百科事典マイペディアの解説

予防医学【よぼういがく】

傷病の発生や悪化を防ぐ医学。治療医学に対して用いられる。環境の整備と体力の鍛練,予防接種などによる特異抵抗力の付与,傷病の早期診断と迅速的確な治療,合併症後遺症の予防,リハビリテーションなどの諸段階を含む。
→関連項目衛生学社会医学

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世界大百科事典 第2版の解説

よぼういがく【予防医学 preventive medicine】

治療医学に対して用いられることばで,疾病の予防についての諸問題を扱う医学の一分野。急性伝染病に対する予防接種,検疫などをはじめ,近年では,成人病,精神・神経病などの慢性変性疾患産業保健における事故・疾病,および環境破壊による健康障害に対する予防も含まれる。予防医学は,積極的予防(第一次予防),早期発見・早期治療(第二次予防),および悪化防止と社会復帰(第三次予防)の3段階に分けられる。第一次予防は,集団レベルすなわち公衆衛生学的な分野であり,第三次予防は臨床医学の領域で,また,第二次予防では両者が協力して行う領域である。

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大辞林 第三版の解説

よぼういがく【予防医学】

健康人を対象とし、すべての健康障害・疾病の予防を目的とする医学。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

予防医学
よぼういがく
preventive medicine

健康を損ねる因子を防ぎ、取り除くことを目的とした医学。予防すべき健康阻害因子の例としては次のようなものがあげられる。
(1)感染症 感染症においては、感染源、感染経路、感受性のある個体のそれぞれに対応した対策が必要であり、予防法としては、患者の入院、環境衛生の向上、予防接種などが主要なものとなる。
(2)栄養上の欠陥 この場合は、食料の不足、栄養上の過誤などを防ぐための対策が必要となる。世界的には食料不足に悩む地域が多いことを考えれば、これに対する対策は重要な意味をもっている。
(3)事故 小児から青年期にかけては不慮の事故が死亡原因の1位となっている。これを防ぐためには、安全教育から都市計画、車両構造に至るまでの広い範囲にわたる対策が必要となる。
(4)先天異常 治療法のない先天異常に対しては、予防しか対策がとれないため、異常の成因の解明により最大限の予防に努めることが必要となる。
(5)物理化学的環境 この面からは、健康に被害を与える環境要因の究明と除去が重要であり、具体的な対処としては、環境汚染対策などがあげられる。
(6)社会的環境 家族・親子関係から学校、地域社会、国家、世界に至るまでの社会的環境が含まれ、主として精神保健上の課題となるものである。
 このように、予防医学では、その対象が広範にわたっているため、医学のみならず、広く自然科学、社会科学の援助が必要とされる。また、予防医学は公衆衛生学あるいは保健学の一分野ないし同義とされることもある。なお、予防医学において予防することのできなかった疾病、異常に対しては、治療医学、福祉、教育などが対応することになる。[平山宗宏]

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世界大百科事典内の予防医学の言及

【公衆衛生】より

…伝染病対策には検疫,疫学的情報サービス,媒介動物駆除,伝染源追跡などがあり,環境衛生改善には上下水道,食品衛生,住居衛生,大気汚染,騒音問題などの公害対策,都市計画などが含まれる。(2)対人保健 衛生学の原理を個人に適用することによって集団の健康水準を向上させようとするもので,狭義の予防医学,社会衛生,狭義の社会医学などに大別される。予防医学の分野には予防接種,予防のための試験検査,衛生教育,成人病予防,栄養管理,疫学的研究,社会調査,衛生統計などが含まれる。…

※「予防医学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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