盤上ゲームの一種。日本では〈ダイヤモンド・ゲーム〉または〈ハルマ〉などの商品名で市販されているが,欧米ではチャイニーズ・チェッカーChinese checkerと呼ばれる。原型はビクトリア朝後期(19世紀後半)に流行したハルマhalma(ギリシア語で〈ジャンプ〉の意味)である。ハルマのゲーム盤は16×16の市松模様の升目からなるもので,駒の配置は図のとおりである(2人のゲームでは19個,4人のゲームでは13個と駒の数が異なる)。ゲームの目的は,自分の陣地と同色の反対側の陣地に自分の駒を全部あつめることである。駒はどの升目でも一つずつ動かせるが,相手の駒のすぐうしろが空いているときは,相手の駒をとびこえてその升目に移動することができる。自分の駒でも相手の駒でも,ジャンプが可能であれば連続していくつとんでもさしつかえない。その経路と年代は不明だが,ハルマは20世紀の前半に単純化されてチャイニーズ・チェッカーの名で東洋から欧米に逆輸出されたものらしい。ダイヤモンドゲームはふつう3人で行い,升目のかわりに交点に駒を動かす点をのぞけば,ゲームの目的と駒の進め方はハルマと同じである。
執筆者:松田 道弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
星形の六角で縦横(たてよこ)に線が描かれている盤と、15個ずつ普通は赤、黄、緑の三色に塗り分けられた45個の駒(こま)を使用して3人または2人で争う室内ゲーム。盤の六つの突出した三角形は相対する二つずつ駒と同じ色に塗り分けられていて、競技者は自分の駒と同じ色に塗られた三角形の一方の15の線の交差点に駒を並べる。競技は、交互に自分の駒を一桁(けた)ずつ線の交差点上を動かして、早く向き合った同じ色の三角形の中に全部の駒を入れた者が勝ちとなる。駒は前後左右いずれの方向へも動かすことができ、途中に他の駒があるときは敵味方の関係なく1個だけは飛び越すことができる。駒を飛び越したときは何回でも連続して駒を動かすことができる。ただ2個以上の並んだ駒を飛び越すことと、相手方の陣地に自分の駒を入れることは禁じられている。このゲームはルールが単純なのにかかわらず相当な思考力を必要とし、興味深い遊びとして広まっている。
[倉茂貞助]
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