コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ダビング10 だびんぐ10/だびんぐてん

知恵蔵の解説

ダビング10

デジタル放送の番組を1番組につき10回までダビングできる新ルールで、2007年12月に電子情報技術産業協会(JEITA)が統一呼称として決めた。日本の地上デジタル放送・BSデジタル放送は04年4月から、番組のデジタル録画が1回しかできない「コピーワンス」を導入した。アナログと違って録画を重ねても画質・音質が劣化しないデジタル放送では、録画制限をしないと海賊版が横行して著作権者の権利が守られないと考えたためだが、アナログ放送では自由だった個人利用の範囲内での編集が制限されたうえ、ハードディスクからDVDに移す際にデータが消えるといったトラブルも多発し、視聴者から批判の声が出ていた。そこで総務相の諮問機関である情報通信審議会は06年8月、コピーワンスを見直して録画制限の緩和を検討するよう求める答申を出した。その検討結果がダビング10に落ち着いたのは、家庭内で3人が3回コピーしてもコピー元のハードディスクの記録が消えないという計算に基づく。「3×3+1で合計10が適当」というわけだ。新ルールは地上デジタル放送で08年6月から運用が始まる予定だが、著作権団体には制限緩和への不満が根強い一方、すでにコピーワンスの録画機器を買っている消費者は、その機種がソフトウエアのアップデートに対応していなければ買い替えを強いられることになる。

(隈元信一 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

パソコンで困ったときに開く本の解説

ダビング10

2008年7月に運用が始まった、デジタル放送の録画ルールです。従来のコピーワンスでは録画データの移動が1度しか認められていませんでしたが、ダビング10の開始以降に放送される番組では、放送局側の設定で、ハードディスクからDVDなどへのダビングが10回まで許可されます。10回目のダビングはムーブ(移動)となり、ハードディスクからは削除されます。なお、コピーワンス設定の番組には適用されません。
⇨DRM、コピーワンス

出典|(株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について | 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ダビング10

デジタル放送は高画質で繰り返しコピーできることから、コンテンツを保護するため、昨年7月から始まった。ハードディスク(HDD)内蔵レコーダーなどに録画したデジタル放送の番組について、DVDやブルーレイディスク(BD)へのコピー回数を計10回に制限する仕組みで、10回目のコピーをした時点でレコーダー内のデータは消える。コピーデータからの再コピーはできない。当初はコピー回数が1回だけに制限されていたが、「使い勝手が悪い」という消費者団体などからの指摘を受け、総務省の情報通信審議会などが運用ルールをつくった。

(2009-11-25 朝日新聞 夕刊 1社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ダビング‐テン【ダビング10】

デジタルテレビ放送の番組に制御信号を組み込み、HDDレコーダーなどに録画したあと、DVDブルーレイディスク(BD)、携帯プレーヤー用メモリーカードなどに9回まで複製(コピー)することができる仕組み。10回目はデータがディスクやカードに移動(ムーブ)してレコーダーには残らない。また、コピー先のDVD・BDなどからの再コピーはできない。コピーワンスの不便さを解消するために考えられたもので、平成20年(2008)著作権団体と家電メーカーの間で補償金を巡る話し合いが成立し、同年7月から解禁となった。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

IT用語がわかる辞典の解説

ダビングテン【ダビング10】

2008年7月以降におこなわれている、デジタル放送における著作権保護のための方式・技術。この方式に対応した録画機器やパソコンなどで録画した番組については、9回のコピーと1回のムーブ(別のメディアにデータを移動すること)ができる方式。またはそのようなコピー抑制の技術。情報機器の多様化、制約が厳しすぎるという視聴者からの批判、データ消失トラブルの多発などにより見直しを迫られていた「コピーワンス」方式の条件を大幅に緩和したもの。ただし、録画機器から記録メディアにコピーしたものをさらに別の記録メディアにコピーすることはできないなど、制約は残っている。◇著作権による制約のある、映画を中心に放送する有料チャンネルなど、この方式を採用していないチャンネル・番組もある。⇒コピーワンス

出典|講談社IT用語がわかる辞典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ダビング10
だびんぐてん

日本のデジタルテレビジョン放送に付随する、放送コンテンツ(放送内容)の複製防止機能の一種。コピーする回数を1回限りに制限するコピーワンスの厳しい制限を緩和して、外部の記録媒体へのコピーを9回まで認め、1回のムーブ(移動)とあわせて10回のダビングを可能としたもの。ダビングテンとも表記される。
 デジタルテレビジョン放送では、コンテンツのコピーを行っても品質劣化を生じないため、コピーしたコンテンツを著作権者の許諾なしに非正規に流通させるなど、望ましくない行為が行われる可能性がある。このような行為を防止する対策として、2004年(平成16)4月に、すべてのデジタルテレビジョン放送にコピーワンス機能が付加された。しかし、コピーワンスは著作権保護に有用である反面、利用者には規制が厳しすぎるという批判が出たことから、著作権者と録画機器メーカーとの間で改善策について話し合いが行われ、コピーワンス規制の緩和暫定策として、2008年7月からダビング10の運用が開始された。
 ダビング10においても、コピーワンスの場合と同様、1世代だけコピー可という制御を行っているが、コピーワンスでは受信したデジタル放送コンテンツを録画機器内蔵HDD(ハードディスクドライブ)に記録した時点を1世代目のコピーとするのに対し、ダビング10ではHDD記録はコピーとみなさず、DVD-R(1回限り録画可能の書き込み用DVD)やBD-R(1回限り録画可能の書き込み用ブルーレイディスク:BD)などの外部媒体にコピーした時点を1世代目のコピーとしている。こうすることで、外部媒体への1世代目のコピー9回、それに10回目のムーブをあわせて10回のダビングを可能としている。コピーやムーブでコンテンツを記録したDVD-RやBD-Rから、2世代目のコピーをつくることが禁じられている点は、コピーワンスの場合と同様である。
 ダビング10を使えるようにするには、放送局側がこれに対応する制限信号を加えた放送番組を放送し、受信側でも対応した受信録画機器を備えることが必要である。受信側では、制限信号を解読するためのカード(B-CAS(ビーキャス)カード)を挿入して使用する。
 ダビング10はコピーワンスに比べてコピー規制が緩和されているとはいえ、権利者優先の本質は変わらず、デジタルテレビジョン放送において、このような規制を設けているのは、世界中で日本だけである。
 ダビング10は、NHK(日本放送協会)、民放各社の地上デジタル放送、BSデジタル放送で使われているが、2015年時点でBSデジタルの有料放送や、ほとんどのCSデジタル放送は、コピーワンスのままである。「コピーワンス」の詳細については、別項目を参照されたい。[吉川昭吉郎]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

ダビング10の関連キーワードデジタル著作権管理copy onceハイビジョンビーキャスBISDBCPRMCAS

今日のキーワード

きらきらネーム

俗に、一般的・伝統的でない漢字の読み方や、人名には合わない単語を用いた、一風変わった名前のこと。名字についてはいわない。どきゅんネーム。[補説]名前に使用する漢字は、戸籍法により常用漢字・人名用漢字の...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android