ダブ(読み)だぶ(英語表記)dub

翻訳|dub

デジタル大辞泉 「ダブ」の意味・読み・例文・類語

ダブ(dove)

ハト目ハト科の鳥の総称。特に小形の種類をいい、平和の象徴とされる白いハトもこれに含まれる。
[補説]大形種はpigeon(ピジョン)という。

ダブ(dub)

ジャマイカ発祥の音楽の手法。既成楽曲の特定の音やリズム強調したりエコーをかけたりして、独特の効果を生み出すこと。また、その音楽ジャンル

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダブ」の意味・わかりやすい解説

ダブ
だぶ
dub

1960年代に発生し、1970年代に世界的に流行したジャマイカのポップ・ミュージック、レゲエで用いられるサウンドイコライジング(特定の周波数を強調または低減させること)の手法、あるいはそのような手法を用いたサウンドをさす。演奏を録音したマスター・テープの各トラックに、極端なエコーやディレイやまびこのように元音に対して繰り返し再生音を出力する効果)をかけ、浮遊感のある特徴的なサウンド効果を伴う音像を構成する。とくにベースやバス・ドラムといった低音部が強調された特異な音空間をもつことが多い。レゲエ誕生前夜のロック・ステディ(レゲエの先駆者アルトン・エリスAlton Ellis(1938―2008)の曲「ゲット・テディー・トゥー・ロック・ステディ」にちなんでよばれる。ジャマイカのポップ・シーンにおいて初期のスカにかわって登場した)のシングル盤のB面に、音量レベルの調整用として収められたことが起源で、その後キング・タビーKing Tubby(1941―1989)やリー・ペリーLee Perry(1936―2021)といったダブ・ミキサーたちが、ドラムのスネアやハイハットといった高音部とベースなど低音部とのコントラストを独特の形で強調した実験的なミックスを行い、それはダブ・プレートとよばれるアセテート製の試験プレス版のレコードとなって、サウンド・システム(レコードを野外で大音量で流すために組まれたスピーカーアンプ、ターンテーブルなどのステレオ装置一式)によって聴衆に披露された。

 1970年代後半になると、英米ロックの主流にもダブの影響は広がり、とくにパンク・ロック以降に多様化したイギリスのニュー・ウェーブ・シーンにダブの影響を強く受けたグループが多数登場した。とりわけ、イングランド南西部の都市ブリストルからは、ポップ・グループ、マッシブ・アタックといったグループが出現し、ダブをポップ・ミュージックの基本的なサウンド制作手法として広めることとなった。

増田 聡]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダブ」の意味・わかりやすい解説

ダブ
dub

ジャマイカのレゲエの録音で,歌の入った本来の曲の器楽の部分だけを用い,楽器のバランスを変えたり,エコーをかけたり,他の曲や歌詞をかぶせたりして,新たなバージョンを作ること。スタジオで手軽にできるバージョン作りであるため,その後,ポピュラー音楽のさまざまなジャンルで用いられるようになった手法である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

音楽用語ダス 「ダブ」の解説

ダブ[dub]

すでに録音した曲にエコーやディレイなどのエフェクトや、テープ処理をして、別の曲として作り直すこと。そうしてできた曲は「ダブ・バージョン」または「ダブ・ミックス」という。もとはレゲエの世界から生まれた言葉で、何曲も作れないというジャマイカのスタジオの貧しい状況から生まれたテクニック。

出典 (株)ヤマハミュージックメディア音楽用語ダスについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「ダブ」の解説

だぶ

佐賀県の郷土料理。根菜を中心とする野菜やコンニャクなどの具材を細かく刻んで煮込んだ汁物。名称は水をざぶざぶ(だぶだぶ)と入れることに由来。地域によっては「ざぶ」「らぶ」などとも呼ばれる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

百科事典マイペディア 「ダブ」の意味・わかりやすい解説

ダブ

トラック・ダウン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android