チョウジギク(読み)ちょうじぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョウジギク」の意味・わかりやすい解説

チョウジギク
ちょうじぎく / 丁子菊
丁字菊
[学] Arnica mallotopus (Fr. et Sav.) Makino

キク科(APG分類:キク科)の多年草。根茎は横にはい、茎はやや斜め上に伸び、30~80センチメートルとなる。葉は対生し、長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形でやや厚く、長さ5~13センチメートル、三行脈的で縁(へり)に低い鋸歯(きょし)がある。葉の基部は短い鞘(さや)になり、茎を囲む。8~10月、茎頂に散房状に頭花をつける。頭花は両性の管状花のみからなり、花柄は長く、純白色の短毛を密生する。総包は筒状で、長さ約1センチメートル。痩果(そうか)は長さ0.5センチメートル、冠毛は汚褐色で、長さ0.7センチメートル。高原湿地や渓流沿いに生え、本州の日本海側の山岳地と四国の剣山(つるぎさん)に分布する。名は、頭花の形が香料植物のチョウジの花に似ることによる。

[小山博滋 2022年3月23日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョウジギク」の意味・わかりやすい解説

チョウジギク(丁子菊)
チョウジギク
Arnica mallotopus; arnica

キク科の多年草で,クマギクともいう。本州の日本海側と四国の深山の湿った場所に生える。地下茎は横にはい,茎は叢生する。葉は対生し,長さ 10cm前後の長楕円状披針形で鋸歯をもち,厚みがあってやや平行に走る葉脈が目立つ。夏から秋にかけて,茎の先端に白毛を密生した花柄を伸ばし散房状に細長い頭状花をつける。頭状花は紫褐色で筒状の総包に包まれ,中に黄色の管状花がある。和名はこの頭状花が香料にするチョウジの花筒に似ていることによる。

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