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ツノゴケ hornwort

翻訳|hornwort

世界大百科事典 第2版の解説

ツノゴケ【hornwort】

コケ植物の1綱。配偶体は緑藻類に,また胞子体は原始的なシダ植物に共通する特徴をもち,陸上植物の起原にかかわる系統上の重要な位置をしめる。配偶体は葉状で構造は単純,内部にラン藻類が共生する。各細胞は1個または数個の大型の葉緑体をもつ。造卵器は裸出せず組織内にうずもれている。仮根は単細胞。胞子体は細長く円柱状で先端はとがる(ツノゴケの名は胞子体のこの形状に基づく)。基部に宿存する分裂組織によって生長を続ける。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ツノゴケ
つのごけ / 角苔
[学]Phaeoceros laevis (L.) Prosk.

コケ植物ツノゴケ科の代表的な種類で、ニワツノゴケともいう。湿った地上や岩上に生え、植物体は濃緑色の葉状体で、1~2回二叉(にさ)状に分かれる。長さ1~3センチメートル、幅3~5ミリメートルで、縁(へり)はすこし波状に縮れる。葉状体には組織分化がほとんどなく、気室および気室孔もない。細胞内には大形の葉緑体を1個もち、葉緑体には1個のピレノイド(デンプンの形成と貯蔵に関与する構造体)がある。雌雄同株で、雌器および雄器はともに葉状体の組織の中にうずもれてできる。胞子体は長さ3~4センチメートルの細長い円柱状で緑色。先端のほうから2裂し、中央に軸柱がある。胞子は黄緑色。(さく)内には胞子とともに2~4個の細胞からなる弾糸がある。ほとんど全世界に分布し、日本でも全国各地にみられる。[井上 浩]

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世界大百科事典内のツノゴケの言及

【マツモ】より

…池や沼などの水中に生育するマツモ科の小型多年生水草で,世界中に広く分布し,茎の先の冬芽で越冬する(イラスト)。キンギョモとも呼ばれる。茎は20~80cmでまばらに分枝し,通常,根を持たない。葉は輪生し,細かく切れこむ。マツモという名前は葉が松葉に似ているところからつけられた。花は単性花で雌雄同株,葉腋(ようえき)から出る。雄花は8~12片の総苞に囲まれた10~20本のおしべをもち,葯は外向きにつく。…

【コケ植物(苔植物)】より

…最古の化石は上部デボン紀にさかのぼるが,その後の化石はわずかで古生物学的に進化の跡づけを行うことは困難である。蘚類苔類ツノゴケ類に三大別され,世界に約2万種,日本に約2000種ある(図1)。
[生活史]
 明瞭な世代交代を行う。…

※「ツノゴケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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