ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツリア」の意味・わかりやすい解説 ツリアTuria 前 19年のローマの執政官 (コンスル ) ルクレチウス・ウェスピロの妻。貞女として有名。前 48年婚約者ウェスピロと結婚したが,彼は共和派に属したため,ユリウス・カエサル暗殺後は逮捕される運命にあった。前 42年フィリッピの戦いで共和派が敗れたのち,彼女はローマに行き,M.レピドゥスに懇願して夫の赦免を獲得。その後,平和な結婚生活は 41年間続いたが,子に恵まれなかった。それを自分の責任と感じ,夫に離婚を求め,ローマの慣習に従い,他の婦人をめとって継嗣を得るようすすめたが,夫はこれを拒否した。ツリアの死後,ウェスピロは亡妻の貞淑をたたえた長大な大理石の「ツリア頌詞」を建立した。ただしこのツリアと「ツリア頌詞」の婦人を別人とする説もある。 ツリアTullia 古代ローマの王セルウィウス・ツリウスの娘。悪女として有名。彼女は義兄タルクイニウス・スペルブスと再婚して王妃となるために,夫アルンス・タルクイニウスと父を相次いで殺すことをスペルブスに強いたといわれる。さらに父の遺骸の上に戦車を走らせ,のちその街路は骸骨区 Vicus Sceleratusと呼ばれるようになった。この伝承はその街路名とそこにあったセルウィウス・ツリウスの立像により考えられたものとされる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by