最新 地学事典 「デセプション島」の解説
デセプションとう
デセプション島
Deception island
南極大陸の南米大陸側にある南シェトランド諸島最大の火山島。直径14km,中央に直径7~8kmのカルデラ起原のフォスター湾を抱き,その南東部は狭い海峡で外洋に通じる。外輪山の平均標高300m,最高点は東部のポンド山(542m)。島の約半分は氷河に覆われ,カルデラ内外で水底噴火・氷底噴火。カルデラ壁沿いに多数の火口・割れ目がほぼ同心円状に配列,各地に温泉が湧く。しばしば噴火の記録があり,1842年には溶岩流出も伴ったらしい。1967~70年,やや規模の大きな噴火が3回あり,カルデラ北部と東部にそれぞれ延長4km, 5kmの割れ目を生じてともに水底・氷底噴火を起こし,多数の火口・火砕丘を生じた。1967年噴火まではアルゼンチン・チリ・英3国の南極観測基地もあった。岩石は玄武岩から中性の火山岩(ミュージェアライト)まで変化するが,いずれもNaに富む。
執筆者:勝井 義雄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

