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トコジラミ Cimex lectularius; human bedbug

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トコジラミ
Cimex lectularius; human bedbug

半翅目異翅亜目トコジラミ科。俗にナンキンムシともいう。体長 5mm内外。体はきわめて扁平な卵形。全体に褐色で短毛を密生する。頭部は小さく,複眼も小さく,単眼を欠く。触角は4節から成り,1~2節は太く,3~4節は糸状。前胸は小さく,後方にせばまり,前縁は深く湾入する。半翅鞘は短く片状で,後翅を欠く。肢の 跗節は3節。家屋内にすみ,昼間は狭いすきまにひそみ,夜間出てヒトから吸血する。日本には江戸時代に海外から侵入したといわれ,現在は世界に広く分布している。トコジラミ科 Cimicidaeの種はすべて吸血性で,コウモリ,鳥類,ヒトなどの血を吸い,吸血の際に痛みとかゆみを与える。 (→異翅類 , 半翅類 )

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

トコジラミ

体長5ミリほどのカメムシの仲間。夜行性で、1年近く血を吸わなくてもしのげるほど生命力が強い。血を吸われた1回目は何もおきず、2回目以降にアレルギー反応が出る。被害が深刻化する米国では、宿泊先を訴えるケースも相次ぐ。

(2012-06-09 朝日新聞 夕刊 1社会)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トコジラミ
とこじらみ / 床虱
bedbug

昆虫綱半翅(はんし)目異翅亜目トコジラミ科Cimicidaeの昆虫の総称、またはそのなかの1種。一般にナンキンムシ(南京虫)という俗名でよく知られる。体は卵形で扁平(へんぺい)、体長4ミリメートル内外のものが多い。複眼は発達するが、単眼を欠く。触角は四節。口器はよく発達し、寄生生活に適する。半翅鞘(しょう)(前翅)は小さく板状で、後翅を欠く。哺乳(ほにゅう)類や鳥類に寄生する吸血性昆虫である。世界で約80種が知られ、多くはコウモリや鳥に寄生するが、なかにはヒトから吸血するものも知られる。
 トコジラミCimex lectulariusは、ヒトから吸血する昆虫として有名で、体長約5ミリメートル、体は扁平な卵形で、全体が赤褐色であるが、吸血直後のものは腹部が濃色となる。触角は4節からなり、第1節は短く、第2節がもっとも長い。前胸背側縁は幅広く扁平。世界共通種で、家屋内にすみ、長く発達した口吻(こうふん)で吸血する。交尾後、吸血した雌は10~50個の卵塊を数か月かかっていくつも産み、総産卵数は200~500個になる。トコジラミに吸血されると、不快なかゆみを感じ、睡眠不足をおこすことがある。もともと日本には分布していなかったが、江戸時代末期に外国から購入した船舶とともに持ち込まれたものらしく、明治時代には港などから各地に広がったものと考えられる。最近、とくに近代的都市ではその姿はほとんどみられなくなった。これは、殺虫剤の効果や衛生に対する意識向上によるものである。ヒトから吸血するものはほかに、タイワントコジラミC. hemipterusが知られ、おもに熱帯地方に分布し、琉球(りゅうきゅう)諸島からも記録されている。日本にはトコジラミのほか、コウモリ類に寄生するコウモリトコジラミC. japonicus、ツバメに寄生するツバメトコジラミOecianus hirundinisなどが知られる。[林 正美]

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