トトカルチョ(読み)ととかるちょ(その他表記)totocalcio イタリア語

デジタル大辞泉 「トトカルチョ」の意味・読み・例文・類語

トトカルチョ(〈イタリア〉totocalcio)

プロサッカー試合の勝敗予想賭博とばく。→トト(toto)

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精選版 日本国語大辞典 「トトカルチョ」の意味・読み・例文・類語

トトカルチョ

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] totocalcio ) プロサッカー試合の勝敗を予想して行なう賭博。一九二二年イギリスに始まり、イタリアスウェーデンなどで公認されている。転じて、一般に、物事の勝敗などを予想して行なう賭け事にもいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トトカルチョ」の意味・わかりやすい解説

トトカルチョ
ととかるちょ
totocalcio イタリア語

一定の日に行われる13組(9組の場合もある)のサッカーの試合結果を、参加料を支払って予想投票し、的中すれば一定率の賞金が払い戻される仕組みの賭(か)け事。1921年イギリスの競馬関係のブックメーカー(賭け屋)が創案し、34年に公認された。その後ヨーロッパおよび中南米諸国に広がっていったが、一方で公認されてはいないが公然と行われている国もある。トトカルチョという語は、46年にこれがイタリアに伝えられたとき、賭け事を意味するトトと、同国南部で古くから行われているカルチョというフットボール名称とをあわせてつくられたもので、フットボールを対象とする賭け事を意味している。また、ほかの国ではスポーツトトとかフットボール・プールスなどとよんでいる。

 イタリアのトトカルチョは、毎週日曜日に行われる全国のサッカー試合のなかから13組を選んで予想投票させる。試合終了後、参加料の総額の約40%を賞金として、13組全部または12組の試合の結果を的中させた人に、2分の1ずつ案分して支払われる。その的中者がいないときは、11組の的中者に賞金全部が案分して支払われる。収益はおもにスポーツ振興に使われる。なお、1994年にはトトゴール、98年にはトトセイ、2001年にはトトビンゴもスタートした。トトゴールは国内リーグ32試合のなかからもっともゴール数の多い8試合を当てるもの。トトセイは事前に指定された6試合12チームの得点数(0、1、2、3点以上)を当てるもの。トトビンゴは事前に指定された6試合のなかで、最初の4点と最後の3点が何分に入るかを当てるものである。

 日本では1964年(昭和39)東京オリンピック資金調達のため計画されたことがあるが実現しなかった。しかし、1998年(平成10)に「スポーツ振興投票の実施などに関する法律」が議員立法により成立、2001年3月からサッカーくじ(スポーツ振興投票、通称トトtoto)がスタートした。

[倉茂貞助]

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百科事典マイペディア 「トトカルチョ」の意味・わかりやすい解説

トトカルチョ

日本では〈サッカーくじ〉とも呼ばれる。プロサッカー試合を対象とするギャンブル。イタリア語でサッカーを意味するcalcioと賭金(かけきん)の合計を意味するtotalizzatoreの合成語。トトカルチョ投票券を購入し,1週間単位で十数試合の勝敗,引分けを予想して投票。的中者で賞金を分配。的中率が低いので賞金額は非常に高い。1922年英国で創始,第2次大戦末期にヨーロッパ各国に流行。とくに1946年,イタリアではスポーツ後援費とオリンピック選手派遣費を捻出(ねんしゅつ)するため,政府が主催。中南米やヨーロッパで広く行われており,日本でもJリーグ(日本プロサッカーリーグ)の実施とともにサッカーくじ法案(スポーツ振興投票実施法案)の導入・立法化の動きがあり,1997年国会に上程され,1998年5月成立。サッカーくじの正式名称は〈スポーツ振興投票〉で,愛称はtoto(トト)。文部省所管の特殊法人〈日本体育・学校健康センター〉(2003年10月から独立行政法人・日本スポーツ振興センターに統合)によって2001年3月から正式に実施。
→関連項目宝くじ(籤)

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改訂新版 世界大百科事典 「トトカルチョ」の意味・わかりやすい解説

トトカルチョ
totocalcio

サッカーを意味するイタリア語カルチョcalcioと賭金の合計を意味するトタリザトーレtotalizzatoreの合成語でスポーツ賭博の一つ。日本ではサッカーくじとも呼ばれる。1870年フランス人ピエール・オラーが賭金総額から経費を差し引いた残額を各人の賭金に応じて配当する計算の原理パリミュチュエルparimutuelを考案した。この方式は87年からフランスの競馬の賞金計算に,1908年にはアメリカとカナダの競馬の配当金計算に用いられた。20年の計算機導入以後は世界各国の競馬とドッグレースの配当金計算に使われた。40年代にイタリアの国内オリンピック委員会が選手派遣の資金調達のためロッテリー(富くじ)と組み合わせたパリミュチュエル方式をサッカー試合に適用した。原則として,任意の12組の試合の勝敗全部を当てるしくみで,莫大な賞金が当たるところからたちまちイタリア全土に広まった。ヨーロッパや中南米の諸国で公認されており,東ヨーロッパ内のサッカー試合の賭にも採用されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トトカルチョ」の意味・わかりやすい解説

トトカルチョ
totocalcio

イタリアのサッカーくじ。試合の勝ち,分け,負けを予想して,あたれば配当金が得られる。1946年にイタリアでスポーツ施設の復興とスポーツ振興のために始まり,1960年ローマ・オリンピック競技大会の開催資金集めにも寄与した。トトは,掛け金の総額を一定のルールで勝った者に分配する競馬方式の賭けなどを意味する「トータリザトーレ」からきており,カルチョはサッカーの意。ヨーロッパではフランスやドイツなど 20ヵ国近くで同様のくじが政府公認となっている。サッカーくじそのものは 1922年イギリスで競馬のブックメーカー(賭け屋)がフットボールプールの名で非公式に会員を募り,予想会を行なったのが始まりで,1934年に公認の賭けとなった。日本でも 2001年からスポーツ振興くじの名で販売が始まった。

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