ドラッグストア(英語表記)drugstore

翻訳|drugstore

世界大百科事典 第2版の解説

アメリカ英語でもとは〈薬屋〉の意味だが,薬や化粧品だけでなく,タバコ,菓子,日用雑貨から,文房具,新聞・雑誌,ペーパーバックの本まで売る店で,しばしば〈ソーダファウンテン〉と呼ばれるスナック・バー式の飲食設備をもっている。庶民の手軽な小デパートであると同時に,日本の喫茶店同様,一種の社交の場にもなっている。詩人カールシャピロは,《ドラッグストア》(1942)という詩でこううたっている。〈若者が来て小銭をじゃらつかせ,気のきいたげなことを言い,野球のスコアブックやエロ雑誌を買い,ジャズを聴き,コカコーラを飲み,貸本の新刊恋愛小説をぺらぺらめくる〉。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

もともとは医薬品の小売店をさすが,アメリカでは医薬品ばかりではなく,日用雑貨をはじめ新聞,雑誌から軽飲食までを取扱う雑貨店をいう。営業時間も長く,消費者に密着した販売店として,市民生活のなかに定着している。アメリカでは古くから普及しているが,日本では医薬品の販売に特化した小売店が一般的であり,ドラッグストア業態の展開は進んでいない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

医薬品や健康食品、化粧品を中心に、日用品、雑貨、食品などを扱う小売店。薬局のカウンセリング機能を省き、原則消費者がセルフサービス方式で購入する形態をとるが、薬剤師が常駐して対面販売を行うドラッグストアもある。日本で医薬品を販売できる店は、薬剤師が処方箋(しょほうせん)に基づいて調剤する「薬局」と、大衆薬(一般用医薬品)のみを販売する「店舗販売業」に分かれており、ドラッグストアは「薬局」ないし「店舗販売業」のどちらかの許可を受けて営業している。営業時間が長いという特徴があり、日用品や食品などを値引き販売して集客し、利率率の高い医薬品や化粧品で利益を稼ぐ事業モデルをとる。家電量販店やホームセンターなどと同じ専門店の一種である。

 ドラッグストアはアメリカで19世紀後半に小売業として確立した。もともと医薬品店であったが、日用雑貨、たばこ、菓子、新聞・雑誌、書籍などをあわせて販売し、「ソーダ・ファウンテンsoda fountain」とよばれる軽飲食カウンターを併設する店が多い。アメリカ文化を象徴するコカ・コーラは、ソーダ・ファウンテン併設のドラッグストアで提供されたのが始まりである。日本では1970年代、薬局・医薬品店が共同仕入れや独自ブランド開発のためにボランタリー・チェーンを形成して誕生した。1980年代後半から、健康食品、化粧品を品ぞろえし、低価格で販売するスタイルが消費者に支持され、駅前、繁華街、郊外への出店が加速した。大手チェーンが中小店を次々に買収し、規模拡大しながら急成長をとげ、2008年(平成20)に初めて「日本標準産業分類(総務省)」にドラッグストアという業態分類が設けられた。北海道のツルハドラッグ、アインファーマシーズ、関東のウエルシア、マツモトキヨシ、サンドラッグ、富士薬品、中部のスギ薬局、九州のコスモス薬品といった地域すみ分けがあったが、大衆薬のネット販売拡大や薬剤師不足による人件費上昇などから、地域を越えた再編が進みつつある。日本の2018年度の総売上高は7兆2744億円、店舗は2万0228店。2000年度に比べ売上高は約3倍、店舗数は約2倍に増えた。小売りの市場規模としては、百貨店(6兆円弱)を上回り、スーパー(約13兆円)やコンビニエンスストア(約11兆円)に次ぐ規模である。

[編集部 2020年1月21日]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (drugstore) アメリカ式商店の一種。薬や雑誌類・日用雑貨などを売り、多くは軽飲食店をも兼ねる。〔モダン辞典(1930)〕
※熱球三十年(1934)〈飛田穂洲〉春日野「例のドラグストアにアイスクリームと出掛けたのだらう」

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世界大百科事典内のドラッグストアの言及

【薬屋】より

… 中世ヨーロッパでは施療は僧院(修道院)の中で行われ,僧院には必ず付属の薬草園と調剤室があり,調剤僧が医師を兼ねることが多かった。8世紀になると,ドラッグdrug(乾燥した草木)という英語も使われ,のちの薬剤師druggistや薬局drug storeを指す用語が派生した。アラブ・イスラム世界では進んだ医薬文化を達成したが,8世紀には国営の製薬所および薬店がバグダードに出現した。…

※「ドラッグストア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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