ナハニ国立公園(読み)ナハニコクリツコウエン

デジタル大辞泉 「ナハニ国立公園」の意味・読み・例文・類語

ナハニ‐こくりつこうえん〔‐コクリツコウヱン〕【ナハニ国立公園】

Nahanni National Parkカナダ、ノースウエスト準州南西部の国立公園ユーコン準州との境界に近い。1972年に設置。標高2972メートルのマッケンジー山を擁し、多く温泉が湧出する。サウスナハニ川が刻んだ高さ1000メートルを超える断崖や、落差90メートルのバージニア滝など、雄大な自然景観で知られる。1978年に世界遺産自然遺産)に登録

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世界遺産詳解 「ナハニ国立公園」の解説

ナハニこくりつこうえん【ナハニ国立公園】

1978年に登録された世界遺産(自然遺産)で、カナダ西部のノースウェスト準州にある広大な国立公園(面積は4765km2)。ナハニは、先住民デネ族の言葉で「精神」を意味する。北緯60度以上に広がるツンドラ原野や森林、山塊などの厳しい自然環境と、道路もなく川を遡上するか飛行機を使うしかないという条件から、手つかずの自然が残されている。その中心部はサウス・ナハニ川流域の4つの壮大な峡谷である。急峻な峡谷と、落差90mに達するヴァージニアフォールズ(滝)、標高2972mのマッキンジー山などがあり、公園内には多くの温泉が湧き出ている。この公園はトウヒヤマナラシ原生林のほか、レアオーキッドの群生があることで有名。また260種に及ぶコケ類が確認され、ダルシープ、マウンテンゴート、ハイイロオオカミカリブーなどの40種以上の哺乳類、170種に及ぶ鳥類魚類が生息している。◇英名はNahanni National Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナハニ国立公園」の意味・わかりやすい解説

ナハニ国立公園
ナハニこくりつこうえん
Nahanni National Park

カナダ,ノースウェスト准州西部,ユーコン准州との境界付近を 320kmにわたって流れるサウスナハニ川流域一帯に広がる国立公園。 1972年指定。面積 4766km2。かつては金鉱探しでにぎわった地域であるが現在では自動車道路もなくドールシープやグリズリー,ヘラジカ,ビーバーなどの生息する大自然が残っている。サウスナハニ川の途中には高さ 1000m以上の断崖峡谷や落差 90mのバージニア滝などがあり,先住民ナハニ族さえも近づくことができなかった秘境として知られる。北緯 60度以上にもかかわらず穏やかな気候は,公園内に多くの温泉があるためで,バラ,シダ,ランといった植物もみられる。 1978年世界遺産の自然遺産に登録。

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