ネットブック(読み)ねっとぶっく(その他表記)Netbook

デジタル大辞泉 「ネットブック」の意味・読み・例文・類語

ネットブック(netbook)

ノートパソコンのうち、インターネット電子メールの利用に必要な最低限性能と機能にとどめ、超小型・軽量・低価格としたものの総称。携帯性や価格帯、性能の面でウルトラモバイルPCと重なり合う機種もある。→ネットトップ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネットブック」の意味・わかりやすい解説

ネットブック
ねっとぶっく
Netbook

インターネット利用を主眼に開発されたパーソナルコンピュータ(ネットPC)の一つで、ノートブックタイプのパソコンウェブの閲覧や電子メールの送受信SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への参加といったインターネットの基本機能を、モバイル環境で使えることが基準となっている。ノートパソコンのなかでは、もっとも小型のタイプに分類される製品が多い。パソコンとしては安価で最小限の機能だが、携帯電話などと比べるとインターネットをはじめとするネットワーク環境を利用しやすく持ち運びも便利で人気を博した。有線、無線を問わず、LANなどのネットワークに手軽に接続できることが特徴の一つ。

 登場当初の2008年には、マイクロソフトインテルが定義する、軽量で小型のノートパソコンの基準にあわせた製品の呼称であったが、類似商品も便宜上ネットブックとまとめて呼ばれる。一般的には、インテル製Atom(アトム)プロセッサーなどの省電力CPU中央処理装置)と12.1型以下の液晶モニターを搭載し、マイクロソフトのWindows 7 Starter(ウィンドウズセブンスターター)をオペレーティングシステムOS)にする製品が多い。そのほかにも、グーグルAndroid(アンドロイド)や独自OSを搭載したものや、タッチパネルのみの製品もある。

 ネットブックのほかにも、ネットノート、サブノート、ミニノートなどの呼び名も使われるが、いずれも厳密な規格基準はない。なお、ネットブックとともによく使われているネットノートは、ネットブックよりもやや大きめの液晶モニターをもつ、低価格薄型ノートパソコンのことをさすことが多い。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ネットブック」の解説

ネットブック

米インテルが提唱するIT機器の新カテゴリ。インターネットの利用を主な用途とし、性能と価格を抑えた低価格機と位置付けられ、CPUにインテルのATOMを搭載するのが前提とされている。形状は小型のノートパソコンで、OSにもパソコン用のWindows XPやLinuxを搭載する。同じコンセプトのデスクトップ型パソコンは「Nettop(ネットトップ)」と呼ばれる。
2008年年初から製品が出回りはじめ、同年夏には日本でも販売が本格化した。購入と同時に通信事業者イーモバイルと契約すればネットブックが3万円以上値引きとなり、製品によっては100円で入手できるというキャンペーンが展開されたことも、注目を集めるきっかけとなった。当初は価格競争力が高い海外メーカーや直販メーカーの製品が大半を占めたが、現在は国内大手パソコンメーカーも製品を投入している。
ウェブメールによる電子メールの置き換えに始まり、ドキュメント作成や写真の加工・管理など、パソコンのソフトウエアによって実現されていた用途をインターネットのサービス(ウェブアプリケーション)に置き換える動きが進んでいることも、ネットブック普及の追い風となっている。

(斎藤幾郎 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

IT用語がわかる辞典 「ネットブック」の解説

ネットブック【netbook】

インターネットや電子メールの利用を主目的として機能を絞り込んだ、小型・軽量・低価格のノートパソコンの総称。⇒ネットトップ

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「ネットブック」の解説

ネットブック

 電子メールやウェブサービスの利用に主眼を置いた、小さく低価格なノート型パソコンを示す名前です。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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