日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネメア」の意味・わかりやすい解説
ネメア
ねめあ
Neméa
ギリシアのペロポネソス半島北東部の遺跡の地。ネメア川上流の谷あいにあり、ペロポネソス半島と中部ギリシアを結ぶ交通路上に位置する。古代に領有したポリスは、初めクレオナイ、紀元前5世紀以降はアルゴスであった。伝説上ヘラクレスが獅子(しし)を退治した場所であり、またゼウスの聖地で、この神に捧(ささ)げられるネメア祭は、前573年以後、2年ごとに行われる全ギリシア的な祭典となった。前4世紀後半に建て直されたゼウス神殿は古代末期までに破壊され、中世から19世紀まではほとんど無人の地であった。今日のネメア村は、遺跡の西約6.5キロメートルの所にあり、谷一帯は赤ぶどう酒の産地である。
[清永昭次]