ハイノキ科(読み)はいのきか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイノキ科」の意味・わかりやすい解説

ハイノキ科
はいのきか
[学] Symplocaceae

双子葉植物、合弁花類。小高木または低木。葉は互生し、単葉常緑または落葉性。総状花序または穂状花序をつくり、多くの小花を開く。花は両性で、花冠、萼(がく)ともに5裂して放射相称。雄しべは多数、雌しべは1本。子房下位または半下位。果実は球形または楕円(だえん)形、種皮は薄く、液質の萼筒に包まれる。種子は1個。アフリカを除く世界の熱帯から温帯に2属約500種分布する。日本には落葉性のサワフタギ節と常緑性のクロキ節、ハイノキ節のものなど19種分布する。ハイノキやクロバイは、媒染染料として知られる。

[山崎 敬 2021年4月16日]

 APG分類でもハイノキ科とされる。ハイノキ属1属のみとする説もある。この分類によると、世界に300種ほどが知られ、日本には23種がある。

[編集部 2021年4月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイノキ科」の意味・わかりやすい解説

ハイノキ科
ハイノキか
Symplocaceae

双子葉植物カキノキ目の1科。アジアと南・北アメリカの熱帯,亜熱帯地域に2属約 500種が分布する。常緑または落葉性の高木や低木で,葉は互生し単純形で革質のものが多い。花は5数性の両性花で一般に小型,多くは多数集って総状花序をつくる。花弁は5枚 (ときに 10枚) で,基部で癒着して合弁花冠をつくる。おしべは5~15本。子房は下位で,核果となり2~5の各室に種子が1個ずつ入る。日本にはハイノキ属 Symplocos1属のみがあり,西南日本に多くの常緑性の種があるほか,北日本の落葉樹林にも少数の種がある。

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