改訂新版 世界大百科事典 「ハムセム語族」の意味・わかりやすい解説
ハム・セム語族 (ハムセムごぞく)
Hamito-Semitic
セム・ハム語族Semito-Hamiticともいう。19世紀以後,ハム諸語とセム諸語とが同系であるとの想定の下に与えられた名称。しかし,アラビア半島を中心とするセム語族と北アフリカの〈ハム語族〉(ハム語)とをハム・セム語族の二大語派とする通説は現在では否定されており,誤解を招きやすいこの名称の代案として,紅海語Erythraean,アフロ・アジア語族Afro-Asiatic(1950年,アメリカの言語学者J.グリーンバーグによる)等の呼称が提唱されている。なお,今日学界に多くの賛同者を見いだしている,グリーンバーグによる名称・分類法に関しては,〈アフリカ〉の項目中の[言語]の記述を参照されたい。
→セム語族 →ハム語
執筆者:松田 伊作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報