ドイツの伝統的菓子。「木の菓子」の意。シヒトトルテSchichttorte(層の菓子)またはバウムクーヘントルテBaumkuchen Torteともいう。昔ドイツで、野外でつくったといわれ、マツの木を燃やして、その自然の香りを移しながら焼いたともいわれている。切り口は木の年輪状になっており、ドイツ最高の銘菓とされ、誕生日などに長寿を祝う菓子としても使われている。日本には第一次世界大戦のとき、捕虜となったドイツ兵のパン職人が伝えたともいわれている。作り方は、特殊なバウムクーヘン焼物器で焼き上げる。ローラーにケーキ生地(きじ)をかけて回しながら焼き、焼き色がついたらまた生地をかけて焼く。20回ほど繰り返し、層ができるように焼き上げる。生地の配合や火の加減がむずかしく、年季の入った職人でなければなかなかできない。仕上げにケーキの乾燥を防ぐために、アンズジャムを薄く塗って粉砂糖をかける。好みに切り分けて食べるが、しっとりとした滑らかさを好むときには、ホイップクリームを添える。
[小林文子]
木の幹に似せてつくる伝統的なドイツの祝祭用のケーキ。名まえは〈木の菓子〉の意。卵とバター,砂糖,小麦粉,コーンスターチを合わせた生地を,長い木の棒に薄く塗りつけて火の上で回転させ,表面にきれいな焼色をつけながら焼くという操作を繰り返して,14~15層重ねる。最後にフォンダン(クリーム状に練ったシロップ)かチョコレートを掛けて仕上げる。心棒を抜き取り,輪切りにすると焼き目が年輪のようにみえる。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…あまりデコレーションを加えず,生地の材料の配合比を変えたり,果物の砂糖漬,干しブドウ,ナッツ類,洋酒,香料などを混ぜ入れて変化をつけることが多い。この生地の代表的なケーキには,卵,小麦粉,砂糖,バターを1ポンドずつの同割で作ることから名付けられたパウンドケーキ(キャトル・カールともいう),果物,ナッツ類を加えたフルーツケーキ,木の年輪に似せて作られたバウムクーヘン,溶かしたチョコレートを加えた生地にチョコレートをかけて仕上げたウィーンの銘菓ザッヒャートルテなどがある。また,マドレーヌはバターケーキの生地を貝殻形などの小さな型で焼いたものである。…
※「バウムクーヘン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新