バビルサ(その他表記)babirusa
Babyrousa babyrussa

デジタル大辞泉 「バビルサ」の意味・読み・例文・類語

バビルサ(babirusa)

イノシシ科の哺乳類。体高65~80センチ。成長すると脱毛し、皮膚灰褐色。雄は上あごの犬歯顔面をつき破って伸び、後方に弓なりに曲がる。下あごの犬歯も大きい。インドネシアセレベス島などに分布。しかいのしし。

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精選版 日本国語大辞典 「バビルサ」の意味・読み・例文・類語

バビルサ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] babirusa 元来はマライ語 ) イノシシ科の哺乳類。体長九〇~一一〇センチメートル。体形ブタに似て、牙に特徴がある。雄の下あごの犬歯は口外へ延びて牙となり、上あごの犬歯が鼻すじの皮膚を貫通して顔面に出て、後方へそり返る。体毛は少なく全体に灰白色または暗灰色を帯びる。スラウェシ(セレベス)島およびその付近の島にのみ分布し、林や川土手にすみ、果実昆虫を食べる。和名シカイノシシ

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改訂新版 世界大百科事典 「バビルサ」の意味・わかりやすい解説

バビルサ
babirusa
Babyrousa babyrussa

偶蹄目イノシシ科の哺乳類。ほおを突き抜けて上方にのびる特異なきばをもつ原始的なイノシシの1種。このきばは上あごの犬歯が湾曲して上方にのびたもので,長さ31cmにもなる。下あごのきばは短剣状。雌のきばは小さい。体長88~111cm,尾長28~32cm,肩高65~80cm,体重は100kgに達する。体型はイノシシに似るが,毛はふつうまばらにしかはえず,皮膚は亜種によって滑らかなものとしわのよるものとがある。体色は全体に茶褐色。セレベス島,スマトラ島の川や湖に近い湿った森林にすむ。イノシシと異なり,口吻こうふん)で地面を掘ることはせず,地表に落ちた果実,草木の葉などを食べる。単独あるいは家族群でくらし,きばは雄相互のライバル闘争に使われる。長い上あごのきばはもっぱら相手の攻撃を受けてかわす防御用の武器とされる。1産2子。子には,他のイノシシ類にある白の縞模様がでない。人に慣れやすくペットとしてしばしば飼われる。食用として大量に狩猟されたことと,生息地である森林の伐採のために,近年急激に減少し,絶滅の危機にある。
イノシシ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バビルサ」の意味・わかりやすい解説

バビルサ
ばびるさ
babirusa
[学] Babyrusa babirusa

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目イノシシ科の動物。シカイノシシともいう。スラウェシ島、ブル島、スラ諸島などの森林内の沼地や、深い葦原(あしはら)などに、単独か小家族群ですむ。体長90~110センチメートル、体高65~80センチメートル、体重60~100キログラム。バビルサの特徴は、しわの多いほとんど裸出した皮膚と、成獣の雄の上頬(ほお)を突き抜けて弓状に曲がる犬歯である。上顎(じょうがく)犬歯の長さは、雄では31センチメートルに達する。幼時には褐色の毛を有するが、成長すると脱毛し、裸出した皮膚は灰色から灰褐色にみえる。木の葉、芽、果実などを食べ、朽ち木から幼虫を掘り出すこともあるが、一般のイノシシのように根を掘ろうとはしない。泥浴びや水浴を好む。妊娠期間5か月で、1産2子。子は体長15~20センチメートル、無地である。

[増井光子]


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