日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラ科」の意味・わかりやすい解説
バラ科
ばらか
[学] Rosaceae
双子葉植物、離弁花類。高木、低木、多年草および一年草。葉は普通は互生し、まれに対生(シロヤマブキのみ)、単葉か複葉。普通は托葉(たくよう)がある。花序はいろいろで、花は普通は両性花で、放射相称。萼片(がくへん)があり、しばしば副萼片もある。花弁は5枚または多数で、まれに花弁がないものもある。雄しべは4、5、10、20本、または多数。雌しべは多数または少数、まれに1本。子房は上位、周位、下位。果実は袋果(たいか)、蒴果(さくか)、痩果(そうか)、核果、なし状果、ばら状果、いちご状果など。南極を除いてすべての大陸に分布するが、北半球の暖温帯に多い。約100属3000種に及ぶ大きな科で、バラ、イチゴ、リンゴ、ナシ、モモ、サクラなど、人間と密接に関係する植物が多い。日本産のものは、次の四つの亜科に分けられる。
(1)果実は裂開する袋果または蒴果のシモツケ亜科。
(2)果実は裂開しない痩果、ばら状果またはいちご状果のバラ亜科。
(3)果実は核果のサクラ亜科。
(4)花は子房下位で、果実は多肉質の花床に包まれるなし状果のナシ亜科。
[鳴橋直弘 2020年1月21日]
APG分類でもバラ科とされる。亜科はシモツケ亜科、チョウノスケソウ亜科、バラ亜科の三つに区分される。
[編集部 2020年1月21日]