バートゴーデスベルク(読み)ばーとごーですべるく(その他表記)Bad Godesberg

デジタル大辞泉 「バートゴーデスベルク」の意味・読み・例文・類語

バート‐ゴーデスベルク(Bad Godesberg)

ドイツ西部、ノルトライン‐ウェストファーレン州の都市ボン南部の一地区。13世紀にケルン選帝侯岩山ゴーデスベルク城を築城。そのふもとから鉱泉が湧出し、保養地となった。1938年にヒトラーチェンバレンによるゴーデスベルク会談が開催された。ゴーデスベルク。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バートゴーデスベルク」の意味・わかりやすい解説

バート・ゴーデスベルク
ばーとごーですべるく
Bad Godesberg

ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州の鉱泉保養地。旧西ドイツの首都ボンの南部を占める郊外住宅地域で、官公庁街、大使館街ともなっている。略称ゴーデスベルク。ボンが首都に決まった1949年以来、多数の政府機関、日本などの各国大使館が設けられ、政府職員の住宅が増加した。西方にはコッテン森林地区が控え、ライン川河畔の遊歩道からは対岸にジーベンゲビルゲ山地が仰がれ、景勝の地である。

 古くはローマ道がここを通り、1210年にケルン選帝侯によって築かれたゴーデスベルク城の岩山がそびえる。麓(ふもと)の村落では断層線に沿って鉱泉が湧(わ)き、1791年以来湯治に、1926年以来給水に用いられている。やがて邸宅地に発達し、1968年にボンに合併された。1938年のヒトラーとイギリス首相チェンバレンによるゴーデスベルク会談の開催地。

[齋藤光格]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「バートゴーデスベルク」の解説

バート・ゴーデスベルク
Bad Godesberg

ボンに隣接する保養地。1938年,ミュンヒェン会談の前にヒトラーチェンバレン首脳会談がここで行われた。59年ドイツ社会民主党当地大会綱領を発表しマルクス主義との訣別を決定した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バートゴーデスベルク」の意味・わかりやすい解説

バートゴーデスベルク
Bad Godesberg

ドイツ西部,ノルトラインウェストファーレン州,ボン市南部の地区。ライン川左岸にある 1210年建設の古城ゴーデスブルクの麓に 19世紀後半に発達した温泉保養地が中核で,1935年市制。対岸のジーベン山地景観とライン川に沿った 9kmの遊歩道は有名。第2次世界大戦後,ボンが西ドイツの政治の中心になったが,市街地が狭隘なため,政府諸機関や諸外国の公館の多くはボンとゴーデスベルクの間約 6kmの道路沿いにおかれ,連続した市街地を形成した。 68年ボンに併合

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世界大百科事典(旧版)内のバートゴーデスベルクの言及

【ボン】より

…ライン川が市を縦貫し,市域の4分の3はその左岸が占める。ドイツ分割後に西ドイツの首都となり,1969年旧ボン市はバート・ゴーデスベルクBad Godesberg市,ボイエルほか8村を合併し,大ボン市となったが,90年10月のドイツ再統一にあたって首都の座をベルリンにゆずった。ドイツ分割の結果によってつくられた政治都市・管理都市であり,産業・商業都市の機能は小さい。…

※「バートゴーデスベルク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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