パタニティ・ハラスメント(読み)ぱたにてぃはらすめんと

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

育児のために休暇や時短勤務を希望する男性社員に対する嫌がらせ行為のこと。上司が社員の希望を妨げるパワーハラスメントの一種である。妊娠した女性社員に対する嫌がらせ行為をさすマタニティ・ハラスメントに対し、父性を意味する英語パタニティpaternityとハラスメントを組みあわせた和製英語である。略してパタハラともいう。

 2008年(平成20)に公表された厚生労働省の「今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査」では、育児休業制度や短時間勤務制度を利用したいと回答した男性が3割を超えており、労使協定においては、2010年から育児休暇を取得可能な男性社員の対象範囲が拡大された。また、2012年に発足した第二次安倍晋三(あべしんぞう)内閣が打ち出した成長戦略では、「女性が働き続けられる社会」がうたわれている。それにもかかわらず、厚生労働省が発表した調査によれば、2014年度の男性の育児休暇取得率は2.30%であった。男性の育児参加が進まない原因としては、育児や介護のための休暇の取得が出世競争からの離脱とみなされることへの懸念や、上司からの評価に影響するであろうことへの懸念、育児休暇などを取得しないことが職場の暗黙のルールとなっていること、などがあげられる。

[編集部 2017年1月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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