共同通信ニュース用語解説 「パワーハラスメント」の解説
パワーハラスメント
職場で起きるいじめや嫌がらせ。上司の言動だけでなく同僚や部下も含む。2012年に厚生労働省の作業部会で初めて定義された。セクハラなどは法律が企業に防止措置を義務付けているが、パワハラに同様の規定はない。厚労省は有識者検討会で法制化やガイドライン策定の可能性を検討してきた。パワハラの定義も6年ぶりに見直した。
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職場で起きるいじめや嫌がらせ。上司の言動だけでなく同僚や部下も含む。2012年に厚生労働省の作業部会で初めて定義された。セクハラなどは法律が企業に防止措置を義務付けているが、パワハラに同様の規定はない。厚労省は有識者検討会で法制化やガイドライン策定の可能性を検討してきた。パワハラの定義も6年ぶりに見直した。
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職場で肉体的・精神的な苦痛を与える行為の総称。パワハラとよばれることが多い。労働施策総合推進法(昭和41年法律第132号)は「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」(30条の2)と定義。企業などの雇用主に対し、行為の禁止や処罰方針を明確にして従業員に周知し、相談体制の整備、プライバシー保護、問題発生後の適切な対応、再発防止策などをとるよう義務づけた。大企業には2020年(令和2)6月から、中小企業には2022年4月から適用。罰則規定はないが、行政指導をしても改善しない場合、企業名を公表する。厚生労働省はパワハラの具体的行為として、(1)殴打、足蹴(あしげ)り、物を投げつけるなどの「身体的な攻撃」、(2)人格を否定するような言動、大声での威圧的叱責(しっせき)、罵倒(ばとう)する内容のメール送付などの「精神的な攻撃」、(3)集団で無視するなどの「人間関係からの切り離し」、(4)明らかに遂行不可能な仕事の強制などの「過大な要求」、(5)仕事を与えないなどの「過小な要求」、(6)私的なことに過度に立ち入る「個の侵害」、の6類型を指針で提示。メール、電話、手紙での行為のほか、懇親の場、社員寮、通勤中での行為、性的指向などを第三者に暴露するアウティングもパワハラに該当する、との判断を示した。男女雇用機会均等法(昭和47年法律第113号)や育児・介護休業法(平成3年法律第76号)で防止策を義務づけたセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)やマタニティ・ハラスメント(妊娠・出産・育児休業などに関する嫌がらせ)も広義のパワハラである。なお顧客による悪質なクレームなどのカスタマー・ハラスメントや、就職活動中の学生らへの就活ハラスメントについては企業に義務化せず、適切な対応を求めるにとどめた。
パワハラ関連訴訟では、加害者やその上司、雇用している企業などは刑事責任、損害賠償責任、謝罪などを求められることが多い。とくに加害者は名誉棄損(きそん)、侮辱罪、傷害罪などの刑事責任を問われる場合があり、民法の不法行為も成立することがある。ただ厚生労働省の指針提示後もパワハラに該当するかどうかの線引きはあいまいで、加害者は指導と思いこんでいるケースが多く、対処法としては記録を残し、行政機関などの外部への告発が有効とされる。厚生労働省の個別労働紛争解決制度実施状況調査によると、「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」に関する相談件数は2009年(平成21)の約3万1000件から2019年には約8万7000件に増えた。国際労働機関(ILO)は2019年、ハラスメント禁止条約を採択したが、日本政府は批准するかどうかを未定としている。
[矢野 武 2021年8月20日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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