育児休業(読み)いくじきゅうぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

育児休業
いくじきゅうぎょう

出産後の一定期間,育児をするため労働者休業できる制度育児・介護休業法では,原則として子が 1歳に達するまで,両親ともに休業を取得する場合には子が 1歳2ヵ月になるまで,認可保育所(→保育所)への入所を希望したが入所できない場合などには子が 1歳6ヵ月になるまでの労働者の育児休業取得が認められている。出産や育児を機に女性が離職するのを防ぐため,1968年に日本電信電話公社(電電公社。→公企業)で導入され,1975年に教員,看護師保育士など特定の公務員の女性を対象とする義務教育諸学校の女子職員等の育児休業に関する法律が成立,翌 1976年施行された。女性の社会進出や核家族の増加などに伴って職業と家庭生活の両立が社会問題として前景化し,また労働組合の強い要請も受け,1991年に男性を含めた民間の全職種を対象とする「育児休業等に関する法律」(育児休業法)が成立。また公務員についても民間に準じて「国家公務員の育児休業等に関する法律」と「地方公務員の育児休業等に関する法律」が成立し,育児休業法とともに 1992年施行された。育児休業法は,1995年介護休業を盛り込んだ改正がなされ,育児・介護休業法と名称変更された。雇用保険法に基づき,育児休業給付金として,休業期間の当初 180日は 2014年現在休業前の賃金の 67%の額が,それ以降は 50%の額が支給される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

育児休業

育児休業法では原則として、男性女性それぞれ子どもが1歳になるまで、男性女性がともに取得した場合は1歳2カ月になるまで取得できる。独自に1年以上認める企業や自治体もある。条件を満たせば、雇用保険から育児休業給付金を受け取ることができる。厚生労働省によると、2009年度の取得率は女性が85・6%。男性は過去最高の1・72%。

(2010-12-19 朝日新聞 朝刊 秋田全県 1地方)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

デジタル大辞泉の解説

いくじ‐きゅうぎょう〔‐キウゲフ〕【育児休業】

法律に基づいて労働者が育児のために一定期間取得できる休業。また、その制度。養育する1歳に満たない子の育児について、事業主に申し出ることで取得できる。育児介護休業法による。企業によっては法律の規定以上の条件で育児休業(制度)を設けるところもある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ビジネス用語集の解説

育児休業

育児休業とは、労働者のための『育児』を目的とした休みのこと。育児休暇ともいう。1992年に育児休業法が施行されるとともに、一般企業などで制度の導入が拡がった。

2002年には育児介護休業法として定められており、育児休業とは1歳に満たない子供を育てるための休業と定義されている。

育児休業が制度として確立されてからの年数がまだ浅いということもあり、勤務する会社や職種によっては、育児休業が取得しずらいなどの問題点も指摘されているが、少子高齢化問題を背景として今後さらに取得を支援する流れが強まると思われる。

出典 転職.jpビジネス用語集について 情報

ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

育児休業

子を養育する目的で取得できる休業。原則として満1歳の誕生日の前日まで、1人の子につき1回の休業が、女性・男性にかかわらず取得できる。また保育所への入所ができない場合など、勤務が困難な場合には最長1歳6カ月まで取得することができる。 育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)にもとづく。

出典 ナビゲートナビゲート ビジネス基本用語集について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

いくじきゅうぎょう【育児休業】

子どもをもつ男女労働者が,職場での身分や地位を失うことなく,休業や時間短縮などができる制度。1960年代に,電電公社や民間企業で実施され始めたとき,この制度は,育児のために退職せざるをえなかった女性労働者の退職を防ぎ,乳幼児をもつ母親労働者の母性保護のための経費を軽減するという企業の労務管理としての意味を併せもつものであった。したがって,制度の対象はあくまでも女性だけだった。85年に制定された〈男女雇用機会均等法〉には,女性労働者のために,事業主が,育児のための便宜供与をする努力規定がおかれた(旧11条)。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

いくじきゅうぎょう【育児休業】

労働者が子を養育するためにする休業。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

育児休業
いくじきゅうぎょう

育児のための休暇で、適用労働者は休暇終了後ふたたび職場に復帰することができる。日本では当初、日本電信電話公社(現、日本電信電話株式会社)や若干の民間企業において実施されていたにすぎなかったが、1975年(昭和50)7月に成立した「育児休業法」(正称は「義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律」昭和50年法律62号)によって、国・公立学校の女性教師、社会福祉施設の看護婦や保母など、女性に限って適用されるようになった。その後、本格的な制度導入の必要性が高まり、1991年(平成3)「育児休業等に関する法律」(平成3年法律76号)が成立、全事業所の労働者に適用されるようになり、1992年4月から施行(ただし、従業員30人以下の事業所は3年間の猶予)された。1995年には介護休業についての規定(努力義務)が追加され、法律名は「育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」となり、1999年には介護休業制度が義務化されたのをきっかけに「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(略称「育児・介護休業法」)と改題され、現在に至っている。
 現行制度においては、原則として満1歳未満の子を養育する労働者(同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている等の要件を満たした男女労働者)は、1人の子につき原則として1回育児休業を取得することができる(事業主への申し出により1歳6か月または2歳まで延長可能)。両親ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月になるまで取得可能となっている。小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者については、時間外労働(1か月24時間、1年150時間)・深夜業(午後10時から午前5時までの労働)の制限が受けられ、1年に5日(2人以上の場合は10日)まで看護休暇の取得が半日単位でも可能である。そのほか3歳未満の子を養育する労働者は、所定外労働の制限(残業の免除)や所定労働時間短縮の措置を受けることができる。事業者は、育児休業・看護休暇・時間外労働の制限などの申し出を理由に、労働者に対して不利益な取扱い(解雇・減給・降格など)をしてはならず、ハラスメントの防止に努めなければならない。
 育児休業中は、要件を満たせば雇用保険から育児休業給付金が支給される。給付額は、育児休業開始日から半年間は育児休業前6か月間の平均賃金の67%、半年以降は50%となっている。[湯浅良雄・編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の育児休業の言及

【育児】より

…身体計測や健康診査の記録のほか,発達のチェックリスト,歯科健診記録,予防接種記録などのページがある。母子手帳
[育児休暇]
 就労する母親が多くなったので,育児に携わる間の休暇がいろいろな形で与えられるようになった。労働基準法では,産後6週間の育児休暇が保障されている。…

【育児休業】より

…85年に制定された〈男女雇用機会均等法〉には,女性労働者のために,事業主が,育児のための便宜供与をする努力規定がおかれた(旧11条)。しかし,育児などの家族的責任は男女が平等に担うべきだとする思想が国際的に普及するようになり,日本でも法の改正が行われ,91年の〈育児休業に関する法律(育児休業法)〉は,男女ともに育児休業を申し出ることができると定めるようになった。現行の〈育児・介護休業法〉(1995年成立)によれば,1歳未満の子どもをもつ男女労働者は,子どもが生まれた日から満1歳の誕生日の前日までの間の希望する期間,休業をすることができる。…

※「育児休業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

政府開発援助

政府ベースの経済協力の一つで,特に先進国政府が発展途上国の経済開発などを促進するため財政資金を使って供与する援助。 (1) 2国間での直接援助と,(2) 国際機関を通じての多国間援助に分けられる。直接...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

育児休業の関連情報