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ビッカース硬さ ビッカースかたさVickers hardness

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビッカース硬さ
ビッカースかたさ
Vickers hardness

おもに金属試料の硬さを表わす量の一つで,ビッカース試験機 (イギリスのビッカース=アームストロング社製品が原型) によって測定する。正四角錐形のダイヤモンド圧子 (対面角α=136゜) で試料表面にピラミッド形の永久くぼみをつくり,そのとき加えた試験荷重 Pkgf (P=0.3~50) と2本のくぼみの対角線の長さの平均値 d とから,HV=0.102×2P sin (α/2)/d2 に従って算出する。単位は通常つけない。表示にあたっては,試験荷重の値を明記する必要がある場合には,HV(30)250 のように ( ) 内に表わす。 250はビッカース硬さを示す。

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デジタル大辞泉の解説

ビッカース‐かたさ【ビッカース硬さ】

工業材料をはじめとする物質の硬さ(硬度)の示し方の一。押し込み硬さの一種で、頂角136度の正四角錐のダイヤモンドを試料表面に押し込み、できたくぼみの表面積でその荷重を除した値で表す。比較的硬い材料も向き、名称は英国の鉄鋼会社ビッカースにちなみ、1925年にR=スミスらにより考案された。ビッカース硬度DPH(diamond pyramid hardness)。単位はHV →微小硬さ

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百科事典マイペディアの解説

ビッカース硬さ【ビッカースかたさ】

試料や製品の試験面に対面角136°のダイヤモンド四角錐圧子を置き,これに所定の荷重を加えたとき生ずる残留くぼみの表面積で,加えた荷重を除した商で表される硬さ。専用の試験機があり,特に1kg以下の荷重を備えた試験機をマイクロビッカース硬さ試験機という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ビッカース硬さ
びっかーすかたさ
Vickers hardness

工業材料の硬さを表す尺度の一つで、押込み硬さの一種。単位はHVで表し、DPH(diamond pyramid hardness)ともいう。この硬さ試験法は、1921年にイギリスの技術者であるスミスRobert L. SmithおよびサンドランドGeorge E. Sandlandらによって考案された。対面角136度の正四角錐(すい)ダイヤモンド圧子を静かに材料表面に押し込んでくぼみをつくり、荷重を除いたあとに残った永久くぼみの対角線の長さから表面積を算出し、荷重をこの面積で除した商で表す。真上から見た永久くぼみの対角線の長さをdミリメートル(mm)、荷重をF重量キログラム(kgf)とすると、ビッカース硬さHVは以下のように表すことができる。

 くぼみが相似形となるのが特徴で、試験荷重の大小にかかわらず、ほぼ一定の硬さの値が得られ、硬さの異なる種々の工業材料に対しても、荷重を変更するだけで同一の尺度で硬さが求められ、相互の比較ができる。くぼみの輪郭がきわめて明瞭(めいりょう)なので、荷重を小さくしても測定精度が高く、製品表面や金属組織各部分の硬さを測定することもできる。荷重1キログラム以下で使用される試験機をとくに微小ビッカース硬さ試験機(あるいはマイクロビッカース硬さ試験機)とよぶ。[林 邦夫・中條祐一]

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世界大百科事典内のビッカース硬さの言及

【硬さ試験】より

…そのため実際にはまず硬さ試験法を定義し,その結果得られる値を硬さと定義する方法がとられている。硬さ試験法にも多くの種類があるが,代表的なものを分類すると,硬い材料ほど物を押し込むのに大きな力を必要とすることを利用した押込み硬さ試験(ブリネル硬さ試験,ビッカース硬さ試験,ロックウェル硬さ試験など),硬い材料ほど反発が大きいことを利用した反発硬さ試験(ショア硬さ試験など),硬い材料ほど引っかききずができにくいことを利用した引っかき硬さ試験(マルテンス引っかき硬さ試験など)などがあり,おもなものはJISに規定されている。いずれの試験法においても得られた硬さ値が大きい材料ほど硬いことを意味する。…

※「ビッカース硬さ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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