ビルゲ・ハガン(読み)びるげはがん(英語表記)Bilge-Khaghan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビルゲ・ハガン」の意味・わかりやすい解説

ビルゲ・ハガン
びるげはがん
Bilge-Khaghan
(684―734)

いわゆる突厥(とっけつ)第二帝国のハガン(在位716~734)。毗伽可汗と音写される。叔父カプガン・ハガン(黙啜(もくてつ)可汗)が戦死すると弟のキョル・テギンに推されて即位。突厥の復興以来の重臣トニュククTonyuquq(暾欲谷(とんよくこく)、中国名阿史徳元珍(あしとくげんちん))を用い、その進言によって唐とはだいたいにおいて親交関係を保ち、鉄勒(てつろく)諸部族、契丹(きったん)などの近隣諸族を服属させ、国力の充実を図ったが、大臣に毒殺された。「ビルゲ・ハガン」とは「賢明な君主」を意味し、突厥碑文オルホン碑文)の一つは彼の功績をたたえたものである。

[護 雅夫]

『護雅夫著『古代遊牧帝国』(中公新書)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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