フロリアン(読み)ふろりあん(英語表記)Jean-Pierre Claris de Florian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フロリアン」の意味・わかりやすい解説

フロリアン
Florian, Jean-Pierre Claris de

[生]1755.3.6. ソーブ
[没]1794.9.13. ソー
フランス寓話作家小説家。富裕なブルジョア出身。貴族に仕えつつ,道化芝居や牧歌小説『ガラテ』 Galatée (1783) ,『エステル』 Estelle (88) などを書いた。一方,10歳の頃大伯父ボルテールに教えられたラ・フォンテーヌの『寓話詩』から想を得て,みずからも『寓話詩』 Fables (92) を著わした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フロリアン」の意味・わかりやすい解説

フロリアン
ふろりあん
Jean-Pierre Claris de Florian
(1755―1794)

フランスの劇作家、小説家、寓話(ぐうわ)作家。イタリア演劇マリボーの影響を受け、町人主人公にした感傷的な喜劇を書いて文壇に登場した。牧歌小説も書いているが、成功を収められなかった。『寓話』(1792)でよく知られている。ラ・フォンテーヌの『ファーブル』(寓話集)ほどの緊密な構成力には欠けるが、18世紀風の現世における幸福を謳歌(おうか)しており、時の流れを感じさせる。アカデミー会員。

[原 好男

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世界大百科事典(旧版)内のフロリアンの言及

【サン・マルコ広場】より

…ナポレオンは,連続するアーケードで囲まれた広場を,〈ただ天空のみがその屋根としてふさわしいヨーロッパ最美のサロン〉と表現した。広場南辺のカフェ〈フロリアン〉は,1645年,ヨーロッパで最初にコーヒーを飲ませた店といわれる。【日高 健一郎】。…

※「フロリアン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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