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ブレイディ法 ブレイディほう Brady Act

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ブレイディ法
ブレイディほう
Brady Act

銃火器の購入,所持に制約を設けるアメリカの連邦法律。 1994年2月施行。 81年のレーガン大統領暗殺未遂事件で半身不随となった J.S.ブレイディ元報道官が中心となって成立を働きかけたことから,この通称がある。

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知恵蔵2015の解説

ブレイディ法

1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件で銃弾を受けたブレイディ報道官から名を取り、93年11月成立、94年2月末に発効した、連邦銃規制法(68年)以来の本格的銃規制法。短銃の購入に際して5日間の待機期間を設け、その間に購入希望者の犯罪歴の調査(バックグラウンドチェック)を義務付けたもの。銃砲規制論議は長らく、購入者に対し一定の調査期間を置けとするハンドガン・コントロール(74年設立の市民団体)と、憲法を盾に規制に反対する、製造業者の組織、全米ライフル協会(NRA:National Rifle Association)との対立という構図をとってきたが、銃による悲劇が続発する現実が、アメリカ的伝統に根ざした反対論を封じ込めた格好となった。銃所持の野放し状態から規制へ向けて踏み出したという象徴的意義は大きい。銃規制派は、ブレイディ法をさらに進めて銃所持の自由そのものに踏み込んで、銃の免許制、登録制を盛り込んだ新法の成立を目指すが、全米ライフル協会を中心とする規制反対派の抵抗も根強い。99年4月のコロラド州のコロンバイン高校乱射事件を契機に銃規制強化の機運が高まる中、少年期に重罪を犯した者の銃保有を生涯禁ずる、などの内容を盛り込んだ、銃規制を強化する法案が提出され、上院で可決されるも、下院では否決された。2002年5月、銃規制に消極的なブッシュ政権は、司法省最高裁に提出した書面において、NRAの主張に沿う形で従来の憲法解釈を変更し、武器所有を国民の権利、個人の権利として容認する姿勢を前面に打ち出した。クリントン政権下で減少に向かった銃犯罪は99年以降、横ばい状態で、2億丁近い銃が市中に出回っているとされる。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ブレイディ‐ほう〔‐ハフ〕【ブレイディ法】

Brady law》1994年に発効した米国の銃砲規制法。銃の購入に際して5日間の待機期間をもうけ、その間に警察による購入希望者の犯罪歴の調査を義務づけている。1981年のレーガン大統領銃撃事件の際に銃弾を受けて重傷を負ったブレイディ報道官にちなんでつけられた名称。

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百科事典マイペディアの解説

ブレイディ法【ブレイディほう】

アメリカの銃砲規制法(1993年成立,1994年発効)。名称は提唱者J.Bradyにちなむ。短銃の購入に際して5日間の待機期間を設け,その間に購入希望者の犯罪歴の調査を義務づけたもの。
→関連項目銃砲刀剣類所持等取締法

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ブレイディ法
ぶれいでぃほう
Brady Handgun Violence Prevention Act

アメリカにおいて1993年11月に成立し、94年2月末に発効した銃規制法。時限立法により98年11月に失効。1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件の際、銃弾を受け不治の障害を負った当時の報道官ジェームズ・ブレイディ夫妻が銃器購入規制運動に尽力したことにちなんでこの名がつけられた。同法は、1968年の銃規制法以来初めて成立した本格的な銃規制法であり、すべての短銃の購入に際して、5日間の保留期間を設け、この間に購入希望者の犯罪歴や精神障害歴の調査(バックグラウンド・チェック)を義務づけたことが主要条項。銃規制に関しては、全米でも有数の圧力団体である全米ライフル協会(NRA)が、憲法修正第2条を根拠に武器保有に関する国民の権利を主張し、強力な反対運動を展開してきたため、法案の議会通過は困難を極めてきた。しかし、銃による悲劇の続発により銃規制に賛同する世論が高まり、それを受けて6年間の論議のすえ同法が成立した。
 銃購入に際しての待機期間はすでに25の州において設けられていたが、ブレイディ法は規定がない州で銃を購入するという抜け道をふさいだという点で意義があった。しかし、実際には正規のルート以外の方法で銃を入手する犯罪者が多いため、同法の成立は銃犯罪の減少を約束するものではなく、そのための第一歩にしかすぎない。クリントン大統領は、1994年9月「襲撃用」の19種類の自動小銃などの製造、販売、所有禁止条項(2004年失効)を含む犯罪防止法を成立させ、さらに、98年4月、58種類の外国製改造ライフル銃の輸入禁止を発表したが、全米ライフル協会のロビー活動や武器所有を保障する憲法等を背景に銃規制は進んでいないのが現状である。なお、1997年6月、アメリカ連邦最高裁は、ブレイディ法に定められたバックグラウンド・チェックの義務づけに関しては、憲法修正第10条を根拠に、連邦による州への不当な押し付けであるとして違憲判決を下した。[川口 薫]

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