日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロホロフ」の意味・わかりやすい解説
プロホロフ
ぷろほろふ
Александр Михайлович Прохоров/Aleksandr Mihailovich Prohorov
(1916―2002)
ロシアの物理学者。オーストラリアで亡命者の子として生まれたが、1923年に帰国した。1939年レニングラード州立大学を卒業。第二次世界大戦に従軍し、二度の負傷により除隊した。1944年よりレーベデフ物理学研究所の研究員となり、非線形振動の研究を始めた。1959年よりモスクワ大学教授。1966年よりソ連科学アカデミー(現、ロシア科学アカデミー)会員。1954年バソフとともにアンモニア・メーザーをつくり、さらに1963年に三準位法とよばれる効率のよい励起法を提案した。固体レーザーとその応用に関する研究も行った。量子エレクトロニクスの開拓者として、1964年、バソフおよびアメリカのタウンズとともにノーベル物理学賞を受賞した。また、1970年代には『ソビエト大百科事典』(第3版)の編集長も務めた。
[佐藤 忠]