ソビエト大百科事典(読み)そびえとだいひゃっかじてん(英語表記)Большая Советская Энциклопедия/Bol'shaya Sovetskaya Entsiklopediya

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソビエト大百科事典」の意味・わかりやすい解説

ソビエト大百科事典
そびえとだいひゃっかじてん
Большая Советская Энциклопедия/Bol'shaya Sovetskaya Entsiklopediya

ソ連を代表する百科事典

[彌吉光長・宮本立江]

第一版

ソビエト政府は革命の成功後、国内はもとより国際的にも、ソ連の政治、経済、文化などを正しく理解させるために百科事典の出版を決定。コム・アカデミー自然科学部長オットー・ユリエビチ・シュミット編集長となった。1926年に発行を開始、建設と戦争との激動期を乗り切って、47年に65巻・別巻1を完成。項目数は6万5000余であった。

[彌吉光長・宮本立江]

第二版

スターリン時代の末期のいわゆる「血の粛清」によって、トロツキーブハーリン、ラデックら多くの反対派の政治家が殺され、政治状勢がまったく変わった。そのため、新しく計画し直し、バビロフSergei Ivanovich Vavilov(1891―1951。のちにはB・A・ブベデンスキー)が編集長となり、1950~58年に50巻・索引(2巻)を完成した。これは大項目中心で、多くの小項目を加え、総項目は約10万であった。

[彌吉光長・宮本立江]

第三版

国際政治・経済状勢と科学技術の進歩を取り入れた第三版をA・M・プロホロフ編集長のもとに発行、1971~78年の間に30巻、項目数10万を刊行した。また、81年に索引を追加発行した。さらに、アメリカニューヨーク)ではマクミラン社がこれを英訳し、『Great Soviet Encyclopedia』31巻(1973~79、索引は1983)として発行した。

 ソ連崩壊後はロシア連邦で『ロシア大百科事典』Большая Российская Энциклопедия/Bol'syaya Rossiyskaya Entsiklopediya12巻が刊行された(1998~2003)。

[彌吉光長・宮本立江]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソビエト大百科事典」の意味・わかりやすい解説

ソビエト大百科事典
ソビエトだいひゃっかじてん
Bol'shaya Sovetskaya Entsiklopediya

旧ソ連が国家的事業として刊行した百科事典。発行所モスクワの国立ソビエト大百科事典出版所。第1版は 1925年から出版されはじめ,第2次世界大戦後の 47年に完結した。全 65巻。第2版は全 53巻で 49~60年に刊行され,第3版は 70年から刊行された。マルクスレーニン主義に立脚して編集・記述されており,スターリン時代,フルシチョフ時代などの政治情勢も内容に大きく影響している。

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