ペルー,エクアドル原産のムラサキ科の小低木。日本には明治の中ごろに渡来し,コウスイボク(香水木),コウスイソウ(香水草),キダチルリソウ(木立瑠璃草)とも呼ばれる。花を香水の原料とする。植物体は高さ50~70cmで,枝には剛毛がある。葉の表面は葉脈に沿ってひだがあり,裏面には白毛が生えている。花は長さ3mmほどで密集してつき,紫色ないしすみれ色から,日時がたつと白色に変わる。特有の芳香がある。繁殖は挿木による。冬期10~15℃の温室ではよく生育し,冬から咲き始めて夏から秋まで続く。株を生かしておくだけならば5~7℃でも越冬できる。なお最近ヘリオトロープと称して出まわっている鉢物は,多くは近縁のニオイムラサキH.corymbosum Ruiz et Pav.である。
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ムラサキ科(APG分類:ムラサキ科)ヘリオトロピューム属の数種の園芸上の呼び名。現在一般的にはニオイムラサキH. arborescens L.(H. corymbosum Ruiz et Pav.)が栽培される。ペルー原産の小低木で、高さ約1メートル。葉は互生し、広楕円(だえん)形で先はとがり、暗緑色。5~9月、分枝した茎頂に総状花序をつくり、濃紫色または淡紫色の小花を開く。普通、温室内で栽培し、鉢植えにして観賞する。またキダチルリソウH. peruvianum L.はペルー原産の小低木で、日本でヘリオトロープと称して古くから栽培されてきたがニオイムラサキと同一種である。コウスイソウ(香水草)、コウスイボク(香水木)ともいい、花は前種に比べるとやや小さいが、芳香が強く、香油をとる。繁殖は普通、秋または春に、排水のよい肥沃(ひよく)地に挿芽をし、冬季は5℃以上に保つ。
[山口美智子 2021年7月16日]
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…筋肉痛も高頻度に生ずる。皮膚筋炎の場合の皮膚症状は紅斑から落屑(らくせつ)性変化までさまざまであるが,特徴的なのはヘリオトロープと呼ばれる眼瞼・頰部・前額部・爪周囲などの紫紅色の変化である。またとくに高齢男性患者に悪性腫瘍を伴うものが多く,筋症状の発現後1~2年してから見つかることがあるので注意を要する。…
…そのためブラッドストーン(血石)の名称が与えられている。古くはヘリオトロープheliotropeとも呼ばれた。沈着,勇敢,聡明を象徴し,アクアマリンとともに3月の誕生石として昔から珍重されている。…
※「ヘリオトロープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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