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ホオダレムクドリ ホオダレムクドリHeteralocha acutirostris; huia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ホオダレムクドリ
Heteralocha acutirostris; huia

スズメ目ホオダレムクドリ科。絶滅種。雌雄の形態や長さが著しく異なる。雌は全長 48cmで,嘴は長さが約 10cmもあり,細長くて下に湾曲する。雄は全長 45cmで,長さ約 6cmの嘴はがっしりしていて比較的まっすぐで先がとがる。雌雄で嘴の形が異なるのは,食べ物をとる場所や方法を変えて(雌は朽木などの内部の深い所を探る)競争を避けていたからだと考えられている。雌雄とも全身黒色で,尾羽の先端だけが白い。頬に裸出した橙色の肉垂があり,ホオダレムクドリと名づけられたが,ムクドリ類と類縁関係が近いわけではない。ニュージーランド北島(ノース島)の森林にすんでいたが,森林伐採と乱獲のため 20世紀の初めに絶滅した。ホオダレムクドリ科はニュージーランド固有で,3属 5種からなるが,本種のほかにハシブトホオダレムクドリ Callaeas cinereus が絶滅した。現生の 3種とも飛翔力は弱く,森林に単独かつがいですみ,昆虫のほか果実,葉などを食べる。巣は森の中の低木のまたや樹洞につくり,2~3個の卵を産む。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホオダレムクドリ
ほおだれむくどり / 頬垂椋鳥
wattlebird

広義には鳥綱スズメ目ホオダレムクドリ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この科Callaeidaeはニュージーランド特産の3属3種よりなり、どの種も嘴(くちばし)の基部に肉垂れがある。森林にすみ、枝から枝へと活発に跳ねて移動し、ときには地上を跳ね歩いて、昆虫や木の実を食べる。枝や岩の上に、小枝や木の繊維を用いて皿形の巣をつくる。
 種のホオダレムクドリHeteralocha acutirostrisはフイアともよばれる。全長約50センチメートル、体は黒くて青緑色の光沢があり、肉垂れは橙(だいだい)色、尾は長めで先が白い。嘴の形は、雄はまっすぐで、雌は下に曲がって先が細くなっている。雄がこのじょうぶな嘴で朽ち木をつついて穴をあけると、雌が曲がった嘴で虫を引き出す。このように雌雄が異なった形の嘴をもち、採餌(さいじ)の際に共同作業をするという習性は、鳥類のなかで唯一の例である。尾羽を装飾用としてマオリ人が用いたために多くが捕獲され、1907年以来確認されていないので、絶滅したと考えられている。アオホオダレムクドリCallaeas cinereaは全長約45センチメートル、体は青灰色で、額から眼先(めさき)は黒く、嘴は太い。肉垂れは青色である。ニュージーランドにいる鳥のなかで、いちばん美しいさえずりをしているといわれる。おもに植物質の餌(えさ)をとる。オレンジホオダレムクドリCreadion carunculatusは全長25センチメートル、体は黒く、背はオレンジ色である。嘴は黒くて細く、肉垂れは小さくて黄色。南島と北島のそれぞれ小さな島に、少数分布しているだけである。[高野伸二]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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