翻訳|hostess
…とくに明治時代以降に流行したカフェーやバーで男の客の接待にあたる婦女子は〈女の給仕〉をつづめて〈女給〉と呼びならわされた。だが,今日では給仕もしくは女給という呼名が用いられることはまれで,その代りに,レストランや喫茶店ではボーイもしくはウェーター,ウェートレス,バーやキャバレーではホステスなどの呼名が用いられることが多い。また,役所や企業,学校などで雑用に従事する人も,用務員などの名称で呼ばれるのがふつうである。…
…しかし,バーが普及するのは関東大震災後の大正末期からで,1930年ごろから7~8年間が流行のピークとなり,〈十銭スタンド〉と呼ぶ安価な洋風酒場が各所に続出した。第2次大戦後は,店のオーナーもしくは支配人としての役割を果たす“ママ”と呼ばれる女性と,“女給”,のちには“ホステス”と呼ばれるようになる女性が,客の話し相手となり,あるいはダンスの相手となって接待サービスを提供しながら酒を飲ませるタイプのバーが,とくに昭和30年代に増加し,折から始まった高度成長時代の日本のサラリーマンに,過酷な労働のあとの遊びと憩いの場を提供するようになった。もちろん他方には,ウィスキーやカクテルなど洋酒そのものを売りものとする専門のバーテンダーのいるバーが皆無であったわけではないが,ふつうバーといえば,〈風俗営業の洋風酒場〉を意味する風潮が一般的となったことは否めない。…
※「ホステス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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