ホモスルファミン

化学辞典 第2版 「ホモスルファミン」の解説

ホモスルファミン
ホモスルファミン
homosulfamine

4-(aminomethyl)benzenesulfonamide.C7H10N2O2S(186.23).ベンジルクロリドにアセトアミドを作用させると得られるN-アセチルベンジルアミンを,クロロスルホン酸で4-(アセチルアミノメチル)ベンゼンスルホニルクロリドとする.これにNH3を作用せたのち,加水分解して製造する.白色の板状晶.融点151~152 ℃.冷水に約2% 溶ける.塩酸塩はガス壊疽(そ)菌,破傷風菌,ぶどう球菌,肺炎双球菌,緑膿菌などの感染の諸疾患に抗菌剤として内用,注射および外用で使用される.LD50 > 5000 mg/kg(ラット経口皮下).[CAS 138-39-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホモスルファミン」の意味・わかりやすい解説

ホモスルファミン
homosulfamin

マルファニールともいう。スルフォンアミド誘導体のうち,特殊な抗菌スペクトルをもつ化学療法剤である。一般のサルファ剤が無効なガス壊疽菌,悪性水腫菌,破傷風菌に有効であり,また,一般のサルファ剤と同様にグラム陽性菌,一部のグラム陰性桿菌 (大腸菌赤痢菌など) に抗菌作用を示す。一般のサルファ剤と異なり,パラアミノ安息香酸拮抗作用を受けず,塩酸プロカインアミノ安息香酸エチルなどと併用しても効果が下がらない。また,血液,膿,壊死組織中でも減弱しない。局所,内服,注射などで用いる。体外排出は急速で,作用の持続は短く,蓄積性は低いので,副作用は少いが,アレルギー反応,腎障害,血液障害,吐き気嘔吐,頭痛などがみられることがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「ホモスルファミン」の解説

ホモスルファミン

薬に含まれる成分ひとつ。抗菌作用があり、にきび治療薬、皮膚塗布薬などに含有。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android