百科事典マイペディア 「ポンジュ」の意味・わかりやすい解説
ポンジュ
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フランスの詩人。南仏のモンペリエに生まれ、パリ大学に学ぶ。日常的な事物を主題とし、主観や叙情を抜きにして客観的で綿密な描写を加えた散文詩集『物の味方』Le Parti pris des choses(1942)によって注目された。人間の意識にゆがめられない事物本来の汚れない姿を回復するとともに、人間と事物の癒着に甘んじていた従来の言語を革新する道を開いた。サルトルによって実存主義詩人の名を受け、ヌーボー・ロマンの先駆者とみなされたのち、『テル・ケル』派に代表される唯物論的言語観に多大な刺激を与えた。ほかに『12の小品』(1926)、『プロエーム』(1948)、『石鹸(せっけん)』(1967)などの作品があり、主要作品は『大選集』(1961)、『初巻』(1965)、『新選集』(1967)に収められている。
[田中淳一]
『窪田般彌訳『フランシス・ポンジュ』(『フランス現代詩29人集』所収・1984・思潮社)』
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