ポーランド・ソビエト戦争(読み)ぽーらんどそびえとせんそう(英語表記)Polish-Soviet War

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ポーランド・ソビエト戦争
ぽーらんどそびえとせんそう
Polish-Soviet War

1918年11月に成立したポーランド共和国がロシアのソビエト政権との間に行った戦争(1920~1921)。第一次ポーランド分割前の国境を回復し、リトアニア、白ロシア(ベラルーシ共和国)、ウクライナを含めた連邦制により「強大なポーランド」を目ざしていた新生ポーランドは、ロシアの干渉戦争、国内戦に乗じてロシアの西部へ侵攻していた。ピウスツキに率いられたポーランドは、ソ連側の再三にわたる休戦の申入れを拒否、仮国境をカーゾン線とするパリ講和会議での決定をも無視して、1920年5月には赤軍の手中にあったキエフ(現、キーウ)を占領した。その後、赤軍は攻勢に転じ、世界革命の期待に駆られて、ポーランド国境内にまで進攻、7月にはワルシャワに迫ったが、8月、ポーランド軍の反撃で撤退を余儀なくされ、10月、休戦協定が成立した。1921年3月のリガ条約で定められた東部国境はカーゾン線よりはるかに東寄りで、ポーランドはウクライナ人など多数の少数民族を抱え込んだ。

[南塚信吾・柴 理子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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