マイム

百科事典マイペディア 「マイム」の意味・わかりやすい解説

マイム

バレエ用語。フランス語ではミームという。黙劇のことで,物語性のあるバレエの中で身振りによって筋の展開を語るものをいう。19世紀以前のバレエで頻繁に用いられた。例えば,右手人差し指で右目,次いで左目を指すと《見た》の意,両手で左胸のあたりを押さえれば《愛する》の意,頭上での両手の回転は《踊る》の意になるなど,多くの約束事がある。→パントマイム

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マイム」の意味・わかりやすい解説

マイム
Mime

無言劇のこと。語源ギリシア語ミモス mīmosで,ラテン語ではミムス mimus。演劇の原初的な形態で,古代では軽業 (かるわざ) ,声色寸劇などの雑芸だったが,現在マイムはパントマイム同義語となっている。

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知恵蔵 「マイム」の解説

マイム

パントマイム、つまり身ぶり手ぶりのこと。古典バレエでは一切台詞が使われないので、マイムが言葉の代わりとなる。宮廷人のしぐさもとになっている。

(鈴木晶 舞踊評論家 / 2008年)

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世界大百科事典(旧版)内のマイムの言及

【バレエ】より

…演劇的な舞踊,舞踊劇ともいわれるようなものを指し,劇場的な舞台舞踊である。演劇がせりふによって進行するのに対し,せりふの代りに舞踊およびミーム(マイム)によって進行する劇をいう。一貫した筋があり,2人以上の登場人物をもち,その登場人物が何かの役にふんし,したがってその役の要求する衣装を着し,舞台装置をもった劇で,せりふをいっさい排して舞踊だけによって構成されるものである。…

【パントマイム】より

…演者が声を用いず,身体の動きや顔の表情のみを表現手段とする芸能。単に〈マイムmime〉ともいい,〈黙劇〉〈無言劇〉などの訳語・用語も用いられる。
[パントマイム前史]
 pantomimeという言葉は,その語源をさかのぼれば,古代ギリシア語のpantōs(すべて(に))とmimos(ものまね)の合成語pantomimosであり,この言葉自体は古代ギリシアの多くの文献に見ることができる。…

※「マイム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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