精選版 日本国語大辞典 「マコーレー」の意味・読み・例文・類語
マコーレー
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イギリスの歴史家,政治家。父親は熱心な奴隷廃止論者。ケンブリッジ大学を卒業し,1826年弁護士となったが,前年ホイッグ系の《エジンバラ・レビュー》に発表した〈ミルトン論〉で文筆的名声を博し,以後20年間同誌に歴史,文芸,時事問題に関する評論を寄稿した。30年以降ホイッグ党所属の下院議員となり,自由主義的改革の雄弁で頭角を現し,34年インド総督参事会の立法委員としてインドに赴き,教育改革,刑法典の作成に尽力した。帰国後は陸相(1839-41),主計総監(1846-47)を務めたが,47年の総選挙に落選し,かねてから構想を練っていたイギリス史の叙述に専念した。翌年《イギリス史》全5巻(1848-61)の最初の2巻を刊行。当初は自分の同時代まで及ぶ構想であったが,中途で病没したため,本書は事実上〈名誉革命史〉である。イギリスの国家的発展の連続性を賛美し,議会と名誉革命の進歩的役割を強調したこの歴史叙述は,党派的偏向にもかかわらず,平易な文体と明解な説明のゆえに広く歓迎され,さらにその〈ホイッグ〉史観がイギリスの正統的な歴史解釈として定着する原因をつくった。なお彼の評論と《イギリス史》は明治時代の日本でも多数の愛読者を見いだした。
執筆者:今井 宏
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…第四権力ともいい,今日では広くマス・メディア一般を指す。E.バークまたはマコーレーThomas B.Macaulay(1800‐59)の言葉といわれ,新聞がその社会的影響力の増大により,貴族,僧職,市民の3階級につぐ第4の社会的勢力になったことを意味した。現在では,司法,立法,行政の三権に対する第4の権力と理解し,三権に対する監視役としての期待と,その強大な権力の乱用に対する批判の,両方の意味をこめて用いられる。…
…第四権力ともいい,今日では広くマス・メディア一般を指す。E.バークまたはマコーレーThomas B.Macaulay(1800‐59)の言葉といわれ,新聞がその社会的影響力の増大により,貴族,僧職,市民の3階級につぐ第4の社会的勢力になったことを意味した。現在では,司法,立法,行政の三権に対する第4の権力と理解し,三権に対する監視役としての期待と,その強大な権力の乱用に対する批判の,両方の意味をこめて用いられる。…
…しかし18世紀後半以降,急進主義の運動が展開すると,17世紀史に対する再評価の気運が生まれ,当面の課題であった議会改革の先駆としてのこの闘争のもつ意義が見直されて,これまでの〈反乱〉に代わって〈内乱〉と呼ぶ傾向が強くなった。立憲君主制の成立という視点からすれば,のちの〈名誉革命〉のほうに高い評価が与えられたものの,17世紀以降のイギリスの順調な発展をヨーロッパ諸国と対比させて肯定的にとらえる見方は,19世紀中葉にT.B.マコーレーによって〈ホイッグ史観〉として定式化され,それが長らくイギリスにおける正統史観としての座を占めた。そしてこの史観の副産物として,〈内乱〉におけるピューリタンの貢献をたたえる〈ピューリタン革命〉という呼称も広く使われるようになった。…
※「マコーレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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